井出 智也（いで ともや）
| 所属 | 次世代半導体・センサ科学研究所 |
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| 職名 | 特任助手 |
| 専門分野 | 半導体デバイス，CMOS，光センサ，イメージセンサ |
| 学位 | 修士（豊橋技科大） |
| 所属学会 | 電気学会，応用物理学会 |
| ide.tomoya.lt@ ※アドレスの末尾に「tut.jp」を補完してください |
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| 研究室web | https://int.ee.tut.ac.jp/bio/ |
| 研究者情報（researchmap） | 研究者情報 |
研究紹介
光学フィルタを必要とせずに光の強度と波長情報を同時に取得可能なCMOSイメージセンサの研究を行っています．従来の一般的な分光デバイスは一部の波長帯を反射・吸収させ，特定の波長のみを検出しています．そのため，複数波長を検出する際に各波長に合わせて光学部品を交換する必要があり，装置全体が大規模かつ複雑となっています．私はシリコンでの光の吸収特性が波長ごとに異なる現象に着目し，センサの深さ方向に形成したポテンシャルのピークをを用いて発生した電子を二分し，それらの比率から波長情報を特定するセンサを提案しました．様々なシミュレーション，LSI工場，PCBを用いてフィルタフリーの波長イメージセンサを製作しました．おおよそ想定していた通りの光応答が確認でき，本センサを用いて実際の細胞を模したターゲットが放出する波長の空間分布を光学部品を必要とせずにリアルタイムにイメージングすることに成功しています．テーマ1：複数波長の同時観測が可能なフィルタフリー波長イメージセンサ
概要
フィルタフリー波長イメージセンサの研究全体の流れバイオ分野では，細胞または病原体集団および生体組織の挙動に着目した研究が進められている．特に光波長を分光検出することで時空間的な挙動を蛍光イメージングは，ターゲットの各領域を複数の蛍光試薬で染色し，各蛍動画情報として取得可能である．これにより集団または各部位での相互作用を考慮した複雑な挙動を解明可能であるため，治療分野で有用なツールである．従来，イメージセンサ上に蛍光フィルタを形成した分光デバイスが報告されているが，これらは各蛍光波長に対して，光学特性が合うデバイスに交換する必要がある．そのため，部位や集団からの複数の蛍光波長の同時イメージングが不可能である．本研究では，フィルタを不要とした波長の検出が可能なCMOSイメージセンサを実現し，複数の蛍光波長の同時イメージングを目指す．提案原理および構造を実現させるために各種シミュレーション（Virtuoso，Spectra，TCAD）を用いて動作を検証した．その後，10×10で450umピッチでイメージセンサのレイアウト設計を行った．画素内のセンシングエリアは100um角である．本学のLSI工場にて5.0um のCMOSプロセスで製作した. 続いてマイコン等の電子部品を用いてテストベクタを生成し，センサからの信号を読み出してイメージングする評価システムを構築した．全画素に470-660nmの波長の光を強度変えながら照射したときの表と裏の電流の比率と合計を取得し，センサを校正した．応用としてセンサ上に実際の蛍光ビーズを配置して470nmのLED光源を用いて励起し，フィルタを使用するせずに同一デバイスで複数波長を同時にイメージングすることに成功した．今後同一の構造を用いて多画素化，微細化することでより鮮明に空間的な波長情報のイメージングが実現されることが期待される．
主な業績
[1] T. Ide, Y.-J Choi, R. Matsubara, I.-H Kwon, Y. Kimura, K. Murakami, Y. Noda, D. Akai, T. Hizawa, H. Ishii, K.Takahashi, T. Noda, and K. Sawada, “Simultaneous visualization of multiple wavelengths by filter-free wavelength imaging system”, Sensors and Actuators A: Physical, vol. 365, 114816, 2023. DOI: 10.1016/j.sna.2023.114816
[2] T. Ide, Y.-J. Choi, R. Matsubara, Y. Kimura, K. Murakami, T. Hizawa, D. Akai, Y. Noda, K. Takahashi, H. Ishii, T. Noda, and K. Sawada, “Realization of a filter-free wavelength image sensor and imaging system for visualization of wavelength information”, Sensors and Actuators A: Physical, vol. 360, 114499, 2023. DOI: 10.1016/j.sna.2023.114499
[3] T. Ide, Y.-J. Choi, N. Kakeru, T. Sakae, R. Matsubara, Y. Kimura, K. Murakami, Y. Noda, D. Akai, T. Hizawa, H. Ishii, K. Takahashi, T. Noda, K. Sawada, “Fabrication and demonstration of filter-free wavelength image sensor for visualization of wavelength information”, 2023 23rd International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers2023), W5D.02, Oral, 2023.6.28