関口 寛人(せきぐち ひろと)
所属 | 電気・電子情報工学系 |
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職名 | 准教授 |
専門分野 | 光デバイス、半導体工学 |
学位 | 博士(工学) (上智大学) |
所属学会 | 応用物理学会 |
sekiguchi@ee ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
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研究室web | http://www.int.ee.tut.ac.jp/pim/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
最近,LCDやOLEDに代わる次世代ディスプレイとして,高輝度・低消費電力を特徴とするマイクロLEDディスプレイが注目されており,今後急速に市場が立ち上がることが予測されています。マイクロLEDの活躍の場はディスプレイ応用のみならず,安心安全の観点から自動車の照明や表示機,スマート繊維への応用,空間光通信(Li-fi)やプラスチックファイバーを用いた光伝送,水中での通信技術への応用と幅広い分野への展開も期待されています。
我々が注目しているのはオプトジェネティクス分野に用いるためのマイクロLEDの開発です。オプトジェネティクスは,遺伝子の導入技術によって特定の神経細胞を光で選択的に操作できる技術です。この技術によってどの神経がどのような役割を果たしているのか明らかにすることができます。従来から用いられている光ファイバーを用いた脳の光刺激手法は有効な手段ではありますが,マイクロLEDを用いれば無線給電による自由行動下での動物の活動をモニタリングできたり,脳皮質や脊髄の層間や脳領域間に対する多点光刺激を可能にすることができ,更なる空間的な脳神経ネットワークの関係を明らかにすることができます。我々は脳神経を中心として,神経を刺激するための微細なLEDデバイスの開発を進めています。
テーマ1:刺入型マイクロLEDプローブの作製
概要
これまで光遺伝学における光刺激は青色レーザ光を結合した光ファイバによって行われてきましたが,光ファイバを用いた場合には深さ方向に対して多点で刺激したり,広範囲な領域を光刺激することは困難です。一方でLEDでは半導体加工プロセス技術を用いることで容易にLEDを小さくしたり,隣接領域に並べることができます。本研究では,様々なサイズ,形状をもつ青色マイクロLEDを1つのプローブに実装することで広範囲の光刺激および局所領域のみの光刺激を可能にする新たな光刺激ツールの開発を行っています。
主な業績
H. Sekiguchi, H. Yasunaga, K. Tsuchiyama, and R. Nitta, "Neural optical probe with monolithically integrated intensity-monitoring mLED and polymer waveguide for optogenetics", Electronics Letters, 2019.
キーワード
テーマ2:空間パターン刺激のためのGaNマイクロLEDアレイの作製
概要
神経活動の光操作は高い時間分解能,そして可逆性を有するために脳機能を理解するためにとても有効な手段となっており,更なる脳機能の理解に向けて最近では脳表面への空間的にパターン化された光刺激が試みられるようになってきています.現在はパターン化された光刺激を実現するために空間変調器と光デバイスを組み合わせることでそれを達成していますが,実験動物の自由行動下や数日にわたった光刺激を位置を変えることなく正確に連続的に行うことは困難です.この要求を達成しうる手法として,埋植によって固定させるマイクロLED アレイの活用が期待されています.本研究では脳表面を光刺激するための埋植可能なマイクロLEDアレイの作製を行っています。
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
量子力学I、半導体工学II、光・量子電子工学、先端マイクロエレクトロニクス特論