2026.03No.161(オンラインNo.43)

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ラジオ番組『天伯之城ギカダイ』

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もくじ

Chapter1海中の砂の動きを知る

建築・都市システム学系 教授 加藤茂

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――砂が動くってどういうことですか?

海岸の砂は、毎日同じ場所に同じ砂があるように見えますが、実は入れ替わっていて、入って来る砂と出ていく砂が同じ量だと見た目変わりませんが、ちょっとずつ違えば結果的に地形変化が発生します。

――砂が入れ替わっていることをどうやって調べるのですか。

例えば色のついた砂を海岸にまいて、一週間後、一か月後どこへ移動したか追いかける調査方法があります。ただ、既製品だと大量に購入することになるので学生が乾かした砂に塗料を吹き付けて自作したこともあったんですが使い物にならなくて(笑)。結局業者から購入して既製品を使っています。

――海に色のついた砂をまいたりしているんですか。

技科大の実験室に造波水路があるので、普段はそこに様々な色の砂を入れて波を起こし、高速度カメラで撮影、解析して砂の動きを観察してます。
実際の海では豊川の河口「六条潟」で漁協さんの許可のもと調査したことがあります。干潟は潮の満ち干で環境が大きく変わるので、時間によって砂が動く場所、動かない場所が変わるようです。

――砂が動いてると言っても、干潟の場所が変わるようなことはないですよね。

短時間でそこまで大きな変化はないにしても、今お世話になっている東幡豆の干潟は半世紀前の航空写真と比べると干潟の場所が移動しているのがわかります。
場所は変わらないまでも「去年はあの辺りが浅かったのに今年はこの辺りが浅い」って地元の漁協の皆さんが話していたりします。漁協の皆さんはさすがによく海を見ていて「今ここら辺が深堀れしてる」とか「今ここら辺は浅いんだよね」とか話してくれます。

――漁協の人とよくお話するんですか。

やっぱり海で調査するには毎回漁協に連絡してOKもらってますからね。
以前、外海で船に乗って調査していた際、船長のご友人の漁師さんの船がやってきて「持ってけ」と生シラスをバケツでいただいたこともあります(笑)。

――海の中で砂が入れ替わったり、ともすれば海底のカタチが変わっているなんて、小さな島国に住む国民としては先生の研究の大切さを感じます。

はたから見れば趣味みたいに思われたりもする研究ですが、砂浜の侵食防止などいろいろ貢献できればと思っています。

――ありがとうございました。



Chapter2"燃やしにくい"≠価値ゼロ

機械工学系 助教 松木大輝

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――カーボンニュートラルな社会実現のための燃焼の研究とは?

木を燃やしてエネルギーにするとき、二酸化炭素が発生しますが、木が育つときに二酸化炭素を吸収するのでカーボンニュートラルになるわけです。

――木が燃えることは当たり前だと思いますが、研究が必要ですか。

伐採された"なま木"は水分を多く含み、このままでは燃えにくいので、乾燥させる場所まで運び、乾燥させ、そして燃やす場所まで運ぶということになります。その分、追加の燃料を使用し、二酸化炭素も排出されてしまいます。ですから私たちは湿った木を"乾燥させることなく"上手に燃やそうという研究をしています。

――どうすれば湿った木が燃えますか。

多孔質構造にして高濃度の酸素で燃やす方法があります。例えば"なま木"をチップ状に切って筒に入れ積み重ねると"多孔質構造"となり、多孔質構造内部の隙間に高濃度の酸素を入れてやると高い発熱量で燃えだします。

――キャンプで焚き木燃やす講座を受けてるみたいです(笑)
それにしても、濡れた物が燃えるというのは想像できませんね。

普通の燃焼では空気中に熱が放出されて"熱損失"になるんですが、多孔質構造の効果で酸素・チップが予熱され、乾燥して次々に高温で燃えてさらに予熱され、、、というサイクルが発生します。また、高濃度の酸素を用いることで、発熱量が増加するためこの予熱効果が強くなります。

――なるほど。多孔質構造にすればベッチャベチャの生ごみだって燃えそうですね。

そうなんです。
生ごみが燃料になれば、家庭で出た生ごみで家庭用のエネルギーを作る「エネルギーの地産地消」が実現し、世界情勢に左右されないエネルギーになると期待しています。
さらに同じ原理で、工場廃液のような液体も燃やせないかと考えています。
こちらは、燃えないセラミックのビーズを積み重ねて多孔質構造を作って、隙間に廃液を流し込んで予熱で高温にして蒸発したものをうまく燃やすことを考えています。

――生ごみや廃液をエネルギーにするなんて映画バックトゥザフューチャーのデロリアンみたいですね。地球の未来のためにもぜひ研究をお願いします。

ただ、高温で燃えると窒素酸化物(NOx)もよく出るようになるので、激しく燃やせばいいというものでもなく、環境に良いベストバランスがどこかにあると思うので、そこも突き止めたいと思っています。



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