2024.03No.157(オンラインNo.39)

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輝くギカダイ卒業生

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Chapter1ヤマハ株式会社ピアノ事業部 篠原 大志さん

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動するなら、何事も楽しみながら進めたい

篠原 大志(しのはら たいし)2015年3月 機械工学専攻 博士前期課程修了
ヤマハ株式会社 ピアノ事業部 ピアノ開発部 主任

大学入学前は、どのような子ども・学生でしたか?

思い起こすと、幼少のころから働く車やものづくりが好きで、いつも牛乳パックやお菓子の空き箱を切り貼りしておもちゃを自作していた気がします。その後もプラモデルを作ったりして遊びながら成長していき、高専に進学しました。
高専では、吹奏楽部に入部しトランペットを演奏していたのですが、このトランペットが私にはとても難しく、いい音を出したくて試行錯誤を繰り返す日々でした。

豊橋技術科学大学への入学を志望した理由は何ですか?
トランペットを練習する中で、「そもそも音ってなんだろう?」などと音そのものに興味を抱くようになり、騒音の発生メカニズムなどの研究を行っている研究室のあった豊橋技科大への入学を考えるようになりました。

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同期とのライブイベント

豊橋技術科学大学で印象に残っていることは何ですか?
晴れて希望した研究室に入り、騒音の発生メカニズムに関する研究で国際学会に参加させてもらったことが一番印象に残っています。自分にとってはかなり背伸びしたチャレンジでしたが、先生方や他の研究室メンバー(特に同期)にも恵まれ様々なサポート受けることができたおかげで無事発表を終えることが出来ました。参加すると決めたことをちょっと後悔するくらいハードなタイミングもありましたが、その分達成感も大きかったです。


今まで、どのような仕事を経験されてきましたか?
仕事では、アコースティックピアノの設計開発業務を行っています。
新商品の設計開発などを行うなかで、ピアニストによる音の感性評価や測定器を用いた音や振動の定量評価、デザイナーとの外観検討や使いやすさや安全性の検証試験、新モデルコンセプト検討のためのユーザーインタビューなど、さまざまな切り口の業務を行ってきました。

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ピアノの振動測定の様子

大学で学んだことで、仕事に役立っていることはありますか?

研究室で学んだ、わからないことを追求する際のアプローチは、役に立っていると思います。今自分の手元にどんな情報があるのか、そこから何がいえるのか、次のステップに進むためにはどんな情報が欠けているのか、どうしたらその情報が得られるのかなど、研究室時代の思考プロセスが自身の仕事の進め方の軸になっていると感じています。

篠原さんにとってこの仕事の『やりがい』とは?また、仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

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新商品開発などで、自身の設計した試作ピアノが完成した際には毎回喜びと達成感があります。
注力ポイントは試作目的によって異なりますが、色々な工夫を凝らして設計したピアノが、職人さんの手によって形になっていくさまは、何度経験してもワクワクします。
また、自分が開発に携わったピアノがコンサートで美しい音色で曲を奏でていたり、その演奏を観客の皆さんが楽しんでいる様子をみると、我が子が活躍しているようなニュアンスで、とても嬉しく思うと同時に大きな感動があります。

仕事をするうえで大切にしていることは、周囲の方々とのコミュニケーションです。
複数部門の方と業務を行う中で、相手の発言から真意をくみ取り誤解なく議論、対応を進めることは非常に重要なことの一つです。相手をリスペクトし、協力して仕事を達成できる関係性を構築できるよう気を付けています。

座右の銘、好きな言葉などがあれば、教えてください。
好きな言葉は「Where there's a will, there is a way.」という英語のことわざです。
意思があれば道が開けるいうニュアンスだと思いますが、私はひとまず気持ちがあればなんとかなるくらいの楽観的な意味でも捉えていて、物事に挑戦する際のハードルを少しだけ下げる言葉として活用しています。


学生へ向けたメッセージをお願いします。
私は、行動するなら何事も楽しみながら進めたいと思っています。
なので、選択に悩んだときは多少ハードルがありそうでも、楽しそうな方を選ぶようにしています。瞬間的にはハードな場面もあるかもしれませんが、その方が振り返った際にも楽しかったなと思えることが多いような気がしています。
また、もし苦手なことや少し辛いことであっても、視点を変えて楽しめる切り口を探すようにしています。そうしているうちに、ネガティブな意識も軽減されていることも結構多いです。
みなさんもぜひ、さまざまなことを楽しんでください!

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