ギカダイ生の今!
もくじ
- 藤井琢也さんインタビュー
技科大在学中に株式会社OptTechを創業した藤井琢也さんに、学生広報局員がインタビューしました。
Chapter1藤井琢也さんインタビュー
近年増加傾向にある「学生起業」。技科大でもアントレプレナーシップ教育の推進などスタートアップへの熱が高まっています。今回は豊橋技術科学大学発ベンチャー「株式会社OptTech」代表取締役、情報・知能工学系(3系)出身の藤井琢也さんにお話を伺いました!

藤井琢也
株式会社OptTech代表取締役。広島商船高等専門学校 電子制御工学科を卒業後、技科大に3年次編入。2021年1月、修士2年在学中にOptTechを創業し、2025年現在は5期目を迎える。
株式会社OptTechはどんな会社?
――事業内容について教えてください。
(藤井)弊社では、主に照明技術と画像処理を組み合わせた品質検査システムを提供しています。世間ではAIなどソフト面の開発が流行していますが、実はそれだけではできることが限られています。私たちは、それに加えて照明などのハード面の技術を組み合わせることで、他社にない独自のソリューションを提案しています。

――技科大生とのつながりはありますか?
(藤井)技科大内にあるインキュベーション棟にオフィスを構えていることもあって、数名の在学生にアルバイトの形で仕事をお願いしています。今日もその中の一人の玉田くんにも同席してもらいました。

(玉田)こんにちは、情報・知能工学系(3系)修士2年の玉田です。OptTechでは組み込み機器(ハードウェア)の開発やWeb開発などの業務を担当しています。学部3年の頃からお世話になっているので、今年で4年目になります。
(藤井)在校生のアルバイトはこれまでに20名ほど雇用させてもらっています。技科大生は実験慣れしていることもあって、"手が動く"方たちばかりで助かっています。
起業の魅力について教えてください
――起業を決めた理由は何ですか?
(藤井)投資をやっていた関係もあって、高専時代から起業したいと思っていました。また技科大在学中から業務委託などの形で仕事を得ることができていたので、自分が学んできた技術でビジネスをする面白さも実感していました。加えて一般企業のインターンシップなどに参加してみた結果、普通にに就職するよりも社会に与えられるインパクトが大きそうだと感じたので、在学中に起業することを決めました。
――起業して良かったことは何ですか?
(藤井)一番は「やりたいことができる」ことですね。一般企業に就職した高専の同級生は仕事に不満を持っている子が多いのですが、僕は仕事に対する愚痴はありません。時間の使い方を自由に決められますし、全部自分で責任を持てますからね。

学生時代の思い出は?
――学生時代の活動について教えてください。
(藤井)東京や名古屋の大学生と共同で学生団体を設立して、就活支援イベントなどを主宰していました。豊橋市内の技術力のある企業と技科大生の交流の場を設けることで、在学中や卒業後のコラボレーションに繋げていくような企画でした。また自分自身でも、企業のインターンシップに良く参加していました。
――学生時代の活動が起業に役立ったことはありますか?
(藤井)色々あるのですが、特に「なんとかする力」みたいなものは学生時代に培われた気がします。例えばバックパッカーとして海外を巡ろうとしていた時に、渡航先の国で「宿泊先のホテルを決めないと入国できない」と言われて足止めされてしまったことがありました。その場で現地の友人に連絡をとって宿を確保したのですが、そんな感じで土壇場でも何とか打開策を見つけていく力は学生生活の中で養われたと思います。

今後の展望は?
(藤井)今のOptTechには正社員がおらず、代表の私とアルバイトの学生だけで回している状況です。なので正社員を雇えるようになるのが当面の目標ですね。
大きな方針としては、「自分でないとできないことをやっていきたい」という気持ちが強いです。自分のやりたいこと・自分にしかできないことをやりつつ、売上も伸ばしていくことが理想ですね。
今のところビジネスとしては良い状態にあるので、このまま上手く継続していきたいと考えています。

技科大生に伝えたいことはありますか?
――起業したい学生に向けて。
(藤井)近年は技科大の中でも起業する学生が増えている傾向にあります。応援してくれる大人もいっぱいいますが、必ずしもその人たちがお金を出してくれるわけではありません。メンタルが強いか、技術力がある学生でないと続けていくのは難しいと思います。起業したいのであれば、学問だけでなく社会に求められる(=お金になる)技術を習得していく必要があると思いますね。
――学生のうちにやっておくべきことはありますか?
(藤井)現実的には、就職先など進路に合わせて身の振り方を考えるべきだと思います。コミュニケーション力が重要な職場なのか、技術力が必要な職場なのか、みたいな具合ですね。当たり前ですが、報連相など基本的な部分もできている必要があります。技科大生なら技術力を活かして活躍できる場は意外とあるので、普通のアルバイトではなくそういった場を探していくのもよいと思います。私としても、技術を磨く意欲がある学生を支援したい気持ちはあります。
――最後に一言お願いします。
(藤井)色々な意味で、技科大生には頑張ってほしいです。あとは豊橋をもっと好きになってほしいですね。卒業後は(豊橋を)出ていってしまう学生が多いからこそ。
文:仙田璃温(技科大学生広報局)


