研究シーズの泉

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大気圧低温プラズマの生物応用

プラズマ照射による生体分子損傷と細胞応答機構の解明

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

大気圧低温プラズマの生物応用が近年活発に研究されており、プラズマ照射による微生物の殺菌のほか、抗腫瘍効果や創傷治癒・低侵襲止血への有効性を示す画期的な実験結果が相次いで報告され、プラズマ医療応用に関する研究が急速に進展しています。しかし、それらの作用機序について十分解明されていないことから、プラズマ照射が誘発する生体分子への影響や細胞応答の解析を進めています。

従来技術

・殺菌:殺菌剤・熱・放射線 他
・がん治療:外科手術・抗がん剤・放射線 他
・止血:電気メスによる焼烙 (熱凝固) 他

優位性

・薬剤を使用しない
・大掛かりな設備が不要
・正常細胞・正常組織への影響が少ない可能性

特徴

プラズマ照射によって生成される活性種やイオンは、細胞の周囲を取り囲む水と相互作用し、細胞膜を通過して細胞内部に入り込んだり、別の化合物に変化したりして細胞に作用します。これらは細胞に対して酸化ストレスとなり、様々な生命現象を惹起することが明らかになってきました。全体像の解明に向け、活性種生成プロセス・生体分子損傷・細胞応答の解析を進めています。

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大気圧プラズマが誘発する生体分子損傷と細胞応答機構の解明の取組み例

実用化イメージ、想定される用途

大気圧プラズマの生物応用例
・がん治療、虫歯治療、やけど治療、外科手術での止血にプラズマを照射

実用化に向けた課題

・安全性・再現性の担保
・作用機序の解明
・細胞や組織に直接影響を及ぼす因子の同定と制御

研究者紹介

栗田 弘史 (くりた ひろふみ)
豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2021年04月20日
最終更新日:2021年04月20日