
概要
東日本大震災の津波による行方不明者や遺失物の捜索は、現在も閖上浜等で続けられており、これらの捜索では砂浜の地表面の形状の変化や漂着物などの把握が重要です。私たちはドローンによる空撮画像からその形状を計測し、地表面などの一部の形状が経時的に変化した場合に,その変化の検出と場所の推定を高精度に行えるだけでなく、実際の現場で使えることを目指し、研究・開発をしています。

従来技術
ドローンで撮影された空撮映像からリアルタイムに3次元計測を行うためのシステムでは、形状計算に多くの時間が必要となるだけでなく、異なる時刻のデータとの形状変化の把握にも多くの時間を必要とします。
優位性
異なる時刻のデータと異なる復元方法で生成された3次元形形状の一部の形状変化を捉え、その形状の変化と場所を3 次元で確認できます。
特徴
【研究成果】
平面状形状の変化を検出し3次元空間上で復元するため、平面状形状に特化した回転不変な特徴記述子を設定し、特徴量ベースのキーポイント(画像中の特徴的な部分)マッチングにより2つの砂浜等の平面状形状の位置合わせを行う手法を開発しました。
特徴記述子には、砂浜等の平面形状の起伏を捉えやすくするため、キーポイントと周辺点群の法線の情報を符号化した特徴ヒストグラムを用います。
《実験結果》
- 開発した特徴記述子は回転不変で平面上の起伏の特徴を上手く表現出来ました。
- 既存手法(SHOT:Signature of Histograms of Orientations)と比較してノイズの影響を受けやすいことが分かりました。



実用化イメージ、想定される用途
・砂浜の地表面の形状や漂着物などの把握
・河川等の護岸や山の法面の形状変化の確認
実用化に向けた課題
・スケール変化への対応
・形状変化の検出法の実装
・Realtime SfM システムへの導入と更なる高速化
研究者紹介
金澤 靖 (かなざわ やすし)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 准教授
researchmap
研究者からのメッセージ(企業等への提案)
人手による地表面の形状変化を捉える業務の精度や生産性向上に有用な技術です。
この技術のニーズをお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2021年04月20日
最終更新日:2021年04月20日