
概要
ウェアラブルデバイスが普及し、複数のデバイスを装着する機会が増えていますが、ユーザはそれぞれのデバイスの充電量など電源を管理しなければなりません。この手間を軽減することを目的とし、無線電力伝送を活用した衣類間や衣類とデバイス間での効率よい電力伝送方法について研究しています。

従来技術
ウェアラブルデバイス毎に、装着前に無線または有線で充電する必要があります。
優位性
1つ、もしくは、少数のバッテリーから複数のウェアラブルデバイスに給電する、あるいは、ウェアラブルデバイス間で電力を融通しあうようにすることが期待できます。
特徴
現状では、シミュレーションを用いて適切なコイル形状の検討を進めています。
特に、衣類上にコイルを作成した際に発生すると考えられるズレや曲げ、シワの影響に対して,それぞれのコイル形状の頑健性を調査するとともに、頑健性を向上させる方法についても検討を進めています。
一例として、袖口とスマートウォッチを対象とした実験では、面積一定、実装範囲に制限を設けた条件いずれにおいても,衣類側に円形のコイルを用いた場合に高い効率が得られることや、中でも、衣類側を円形、デバイス側を正方形とする場合が最も効率が高くズレに対する耐性も高いことが分かっています。また、袖口などでコイルが大型化できる場合には、ズレが発生する方向にコイルを大型化をするとズレに対して強くなることが確認できました。





実用化イメージ、想定される用途
・ウェアラブルデバイスの電源管理
・布など、形状変化する素材上での無線電力伝送
実用化に向けた課題
・衣類側コイルデバイス試作とシミュレーション結果の検証
・衣類への実装検証(装着感、重量、バッテリーとの接続など)
研究者紹介
大村 廉 (おおむら れん)
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 准教授
researchmap
研究者からのメッセージ(企業等への提案)
この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年05月07日
最終更新日:2020年06月19日