概要
膨大な数のモノとモノが無線でつながるIoTでは、干渉に強く、低遅延、低消費電力で高い接続性が求められます。私たちは、無線によるメディア・アクセス制御やトポロジ制御などのリソース利用効率の高いプロトコルを設計/構築し、様々な現場の無線化/IoT化を目指しています。
従来技術
・与干渉/被干渉による通信速度の低下
・アクセス集中による遅延と消費電力の増加
優位性
・耐干渉アクセスにより通信速度を向上
・クラスタリングによりアクセス集中を分散し遅延と消費電力を低減
特徴
工場や圃場などのものつくりの現場では生産性向上のために情報通信技術の導入が進んでいます。機器間通信を無線化することで配線の煩わしさから解放され配置換えなどの柔軟性/利便性の向上が期待できます。私たちは以下の技術で省電力かつ高信頼の無線通信を目指しています。
(1)クラスタリングによる遅延と消費電力の削減
端末を適切にグループ分けし、送信タイミングをスケジューリングすることで、アクセスの集中を分散して遅延を低減します。また、通信距離が短縮されるため、送信時の消費電力を削減できます。
(2)耐干渉アクセスによる通信速度の向上
通信速度低下の要因となるグループ内外からの干渉を逐次的に除去することで,受信成功率を高め通信速度を向上させます。
(3)同一帯域内全二重マルチホップ無線による基幹網の高速化
送信と受信を同時に同一帯域内でできるため高速通信が可能となり,基幹網までの全無線化が期待できます。
実用化イメージ、想定される用途
工場、建設現場、圃場などの無線化/IoT化(スマート・ファクトリー、ディジタル・ファブリケーション、スマート農業など)
実用化に向けた課題
・耐干渉アクセスやクラスタリングのための制御オーバヘッドの低減
・各々の現場特有の電波伝搬環境への対応
研究者紹介
上原 秀幸 (うえはら ひでゆき)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2021年05月11日
最終更新日:2021年05月11日