
後ろにいる人の表情はより強く見える?~顔の空間位置で表情の見え方が変わる~
プレスリリース | 2026年4月13日
プレスリリース資料
豊橋技術科学大学情報・知能工学系認知神経工学研究室と視覚認知情報学研究室の共同研究チーム(代表者:田村秀希助教)は、観察者の背後に位置する顔の表情がどのように知覚されるのかを心理物理学的に調査しました。ヘッドマウントディスプレイを装着した参加者が、VR空間内で正面または背後に呈示される顔の3Dモデルを観察し、その表情を二択で判断する実験を行いました。刺激の表情は無表情から怒り顔まで連続的に変化し、参加者はその顔が無表情か怒り顔かを判断しました。怒り顔に加えて、幸せ顔や恐怖顔も含めた4つの実験の結果、観察者の背後にある顔は、前方にある場合と比べて表情がより強く知覚される傾向(背後の表情増強バイアス)が一貫して示されました。特に怒り顔では、後ろに振り向かず、仮想的な手鏡越しに背後の顔を観察した場合でも同様の傾向が確認されました。これらの結果は、身体を回転させる行為そのものではなく、顔が観察者の背後に位置することが、私たちの表情認知に影響を与えうる重要な要因である可能性を示唆します。本研究は、観察者の背後に存在する情動的に顕著な刺激(例:脅威)の処理に関連する空間的な知覚バイアスの存在を示唆するものです。本研究の成果は、2026年3月30日付でCognition誌にオンライン掲載されました。



