2021.03No.151(オンラインNo.33)

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輝くギカダイ卒業生

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もくじ

Chapter1社会の動き方が大きく変わったとしても、大学で得た専門知識や物事の学び方は必ず自分を助けてくれると強く感じます

2103-sotsugyo_chiyama01.png2002年3月 旧知識情報工学課程 卒業
株式会社日本CGサービス 代表取締役社長 痴山 紘史(ちやま ひろし)氏

現在、CG・映像の専門情報サイト「CGWORLD.jp」にて「痴山紘史の日本CG見聞録」を連載中!

2103sotugyo4.jpg 大学入学前は、どのような子ども・学生でしたか?
 幼い頃からパソコンや電子工作が好きな子どもでした。とは言っても、小学生の時にはパソコンがある家庭はまだまだ珍しく、店頭に置いてあったパソコンで動いているジャストシステムの花子を見て、「こんなことできるのか、凄いな。」と思ったのがパソコンとの出逢いでした。中学校時代には同級生と学校の電算機室を借りてゲームを作ったり、その延長で高校でもパソコン系の部活へ入部したりと、パソコン三昧な学校生活を送りました。

豊橋技術科学大学への入学を志望した理由は何ですか?
 地元の愛知県に面白い大学があることを知ったのがきっかけでした。また、工業高校から 推薦で大学へ進学できる道があったので、受験勉強に左右されず、高校から技術の習得に注力しながら大学へ入学できるところに魅力を感じて志望しました。

豊橋技術科学大学で印象に残っていることは何ですか?
 今となって感じる印象深いできごとは、学生当時の同級生や先輩方が研究していた技術 が10年ほど経ってから世の中で注目を集めはじめる場面によく直面することです。当時は「面白いけど実用性はあるのかな?」と思っていた技術でしたが、時が経ち社会的に世間から高い評価を得られており、「時代と技術進歩の流れ」を体感できるとても素晴らしい経験だと思います。

2103sotugyo2.png今まで、どのような仕事を経験されてきましたか?
 大学卒業後、(株)IMAGICAへ入社して放送局向けのリアルタイムCGシステムの販売・運用を行っていました。後に関連会社の(株)Links DigiWorksへ出向し、モーションキャプチャー業務、映画・テレビ・CM関連の映像制作や関連システム開発に携わりました。その後、独立して現在の(株)日本CGサービスを起業して今に至ります。現在の主な仕事は、映像制作関連のプロダクションへの技術提供をはじめ、映像制作をサポートするためのソフトウェアの開発・販売を手がけています。

2103-sotsugyo_chiyama03.png大学で学んだことで、仕事に役立っていることはありますか?
 卒業研究で経験した物事の調査方法やまとめ方、発表方法は現在でも仕事の基礎に なっており、非常に役立っています。ご指導いただいた市川先生には大変感謝しています。また、学生時代にサッパリわからなかったことでも、仕事で必要になって勉強し直す際に学んだ記憶を足掛かりに理解を深められることができ、とても大きな財産となっています。特に私はコンピュータグラフィックス関連の仕事をするので、線形代数は卒業後すぐに学び直すことになり、有難さを実感しました。

仕事でのやりがいや、仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
 一から計画して作った製品を、自分と全く違うバックグラウンドを持つアーティストが使用して映像作品が創作されることは、本当に大変ですが充実感のあることです。また、ユーザーと直接話すことが多いので、そこからアイデアが生まれることも決して珍しくありません。
 アーティストとエンジニアとの架け橋になることが大切であると考えています。バックグラウンドが異なるために話がすれ違うことも多々ありますが、両者が相互理解できるように気を配り、より高品質な製品を提供したいと考えています。

学生へ向けたメッセージをお願いします。
 今も続くコロナ禍の中、皆さん大変な学生生活を送られているかと思います。特に昨年は世界中の誰もが経験したことのない状況下に置かれ、全てが手探りの状態で物事を進める必要がありました。そのような中、今後社会の動き方が大きく変わったとしても、大学で得た専門知識や物事の学び方は必ず自分を助けてくれると、大学を卒業してから時間が経つ毎に強く感じます。先生方から多くを学び、社会で活躍するための基礎をぜひ技科大で培ってください。

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