研究シーズの泉

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異なる電池で補助し合い停電を防止します

異種電池を組合せた電力・エネルギーの運用技術・システムの研究開発

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、家庭用・産業用の太陽光発電-蓄電池システムの導入・拡大が進んでいます。しかし、蓄電可能量を上回り、余剰電力を売電する場合、電力網の電力需給バランスが崩れ、最悪の場合、大停電を引き起こします。そのような事態を避けるために、例えば余剰電力で燃料電池の原料を生成し電力不足時にそれを電力に変換・利用できるような化学電池と、一般的な蓄電池(リチウムイオン電池等)を組み合せた電力システムに関する研究を進めています。

従来技術

蓄電池にリチウムイオン電池単独を用いる場合、電池構成材料によっては大電流(高速)で蓄電・利用できなかったり、電池性能の劣化(電池寿命)が早まったりします。

優位性

蓄電量は少ないものの大電流で運用可能なキャパシタを補助電源に利用し、リチウムイオン電池や燃料電池と組み合せることで、性能劣化が少なく、負荷変動に強いシステムの実現が可能です。

特徴

化学反応機構の異なる電池を複数種類組み合わせ負荷の急激変動に対応できる電力システムの研究開発を行なっています。システムに導入する蓄電池の入出力特性を把握した上で、最適な電力・エネルギー変換回路を設計することで、高効率でエネルギーを運用でき、予期せぬ停電を防止できる電力システムを実現します。

【研究成果】

1.太陽電池の最大出力制御回路の開発

太陽電池の発電電力量を常に最大に保つ電力制御回路設計と電力計測技術

2.リチウムイオン電池の蓄電量推定回路の開発

リチウムイオン電池の蓄電量や劣化度合いを精確に推定可能とする計測回路設計と計測データ自動解析技術
図1 tojyo tomohiro20240801.png図2 tojyo tomohiro20240801.png

実用化イメージ、想定される用途

・家庭用、産業用の太陽光発電-蓄電池システム
・電気自動車
・電動自転車
・ロボット
・人工衛星  など

実用化に向けた課題

・電力システムの構成要素の研究開発
・組電池を用いた場合のセル容量バランス制御
・小規模、中規模、大規模電力システムに適した電力変換回路の設計、および制御

研究者紹介

東城 友都 (とうじょう ともひろ)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

電池構成材料の電気化学特性に合わせた、最適な電力システムに関する研究開発を進めています。
このテーマに関連した技術相談や共同研究の検討をお待ちしております。

知的財産等

掲載日:2024年11月12日
最終更新日:2024年11月18日