研究シーズの泉

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高分解能で低侵襲性、安価なマーキング手法

針の端点が分離できる電極プローブ

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

神経生理学では脳に金属電極を刺入し電位活動を測るとともに、記録部位を正確に特定するため にマーキングを行います。既存の手法は分解能が細胞サイズより10倍粗く、組織を破壊してしまうなどの問題がありました。本技術はめっきと電気分解を応用し高分解能と低侵襲性を兼ね備えた革新的マーキング手法です 。

従来技術

分解能が100μm程度と粗く、記録部位の細胞を特定できないので再現精度に問題がありました。

優位性

・10µm以下の細かさでマーキングでき、視認できるため高い再現精度が確保できます。
・材料は金属の二重めっきで安全安価です。

特徴

本技術はめっきと電気分解を応用することで高分解能と低侵襲性を兼ね備えた革新的マーキング手法です 。
あらかじめ先端に特殊な貴金属二層めっきを施した金属電極を生体内に刺入して電位を記録します。その後、微弱な電流を流すことで下層のめっきが選択的に電気分解し、上層の金属が電極本体から離脱します。その結果記録端点がマーキングとなります。離脱した点は後処理不要で視認でき、記録部位を高い精度で特定することができます。電流印加による生体や細胞へのダメージは生じません。利用する素材は安価で生体適合性もよく、加工も簡便です。

【特長】

  • 電極位置が10倍(100μm⇒10μm)の細かさで特定できます。
  • 生体に安全、安価で、既存のどの金属電極にも適応可能です。
  • 離脱部に薬剤投与やラベル物質によるIDの埋め込み可能です。
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実証実験結果
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実用化イメージ、想定される用途

・神経科学、医学・生 理学のマーキングツール
・めっき、電池などの電気化学
・入れ墨 やマイクロチップに代わる超微細なIDタグ

実用化に向けた課題

・電圧による離脱制御の最適化
・意図しない離脱の防止
・生体へのダメージの評価

研究者紹介

鯉田 孝和 (こいだ こうわ)
豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所  准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

メッキ、微細加工技術を持つ企業、神経電極の販売企業、この技術にご興味をお持ちの企業との技術相談や共同研究をお待ちしております。

知的財産等

掲載日:2020年05月25日
最終更新日:2023年06月23日