研究シーズの泉

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建築物の反射熱を天空に返し、酷暑を改善します

建築外皮の高反射及び再帰反射に関する研究

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

地球温暖化による気候変動や都市圏に顕著なヒートアイランド現象は深刻な状況に至っており、その対策のひとつに、建物外皮の高反射化があります。これまでは、単なる高反射、すなわちアルベド(反射能)を高くするだけでしたが、反射特性そのものを改良し、再帰反射として外皮に組み込む研究を行っています。

従来技術

建物外壁に応用される大半の材料は拡散型であるため、反射熱が都市キャニオンに溜まってしまうという問題が指摘されています。

優位性

太陽からの入射熱を入射方向に返すことができれば、熱が都市キャニオンに溜まらず、都市酷暑環境を改善できるかと考えられます。

特徴

本研究室では、建物全体での省エネルギーのための最適な外皮の熱特性と最適化に注目しています。
具体的には、反射指向特性そのものを改良し、再帰反射として天空に熱放射を返す外皮の開発・研究を行っています。

【研究成果】

これまでに扱ってきた再帰反射材は形態的に主に二種あり、ガラスビーズ型とプリズム型です。
建物外壁への実用化を目指して、それぞれの耐候性と反射指向特性に対して実験・検証を行ってきました。

148_1 袁先生 図1.png
148_1 袁先生 図2.png

実用化イメージ、想定される用途

既存の建物外壁に応用されている拡散型高反射塗料及び高反射化タイルの代わりに、再帰反射特性を有する外壁材を応用できれば、都市ヒートアイランド現象を緩和できます。

実用化に向けた課題

再帰反射材の耐候性の確保、製造コストの削減、および再帰反射材表面から鏡面反射成分の抑制などの研究が必要です。

研究者紹介

袁 継輝 (えん けいき)
豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系 助教
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年06月22日
最終更新日:2020年06月25日