
概要
高分子絶縁材料(熱可塑性ポリイミド tpPIにフィラーとして混合する六方晶窒化ホウ素(BN )粒子を配向制御 することにより 耐熱性250℃程度、熱伝導率20W/m・K以上、絶縁破壊強度100kV/mm以上の特性を有する放熱性コンポジット絶縁材料を開発しました。

従来技術
・熱伝導性と絶縁耐力は相反する関係があり、基本的に両方の特性を高めることは困難です。
・六方晶窒化ホウ素を配向させるには、電解印加用の特殊・大型設備が必要です。
・熱硬化性高分子材料が主流です。
優位性
・熱伝導性と絶縁耐力を容易に制御できます。
・六方晶窒化ホウ素を配向させる特殊設備が不要です。
・種類の多い熱可塑性高分子材料コンポジット絶縁材料の作製(様々な特性を持つコンポジット材料が作製可能)ができます。
特徴
静電吸着法を用いて六方晶窒化ホウ素(BN)フィラーの接触・凝集を極力避ける(絶縁耐力の向上)とともに、BNフィラーを厚さ方向に配向 させる(熱で伝導率の上昇)ことにより、高耐熱、高放熱、高絶縁耐力を有する材料を作製しました。
要求性能:直流絶縁耐圧 100kV/mm以上、熱伝導率 10W/mK 、耐熱温度:200℃以上の最も過酷な要求性能である自動車用パワーモジュールにも適用可能と見込まれます。


実用化イメージ、想定される用途
・自動車パワーモジュール等の高熱伝導率、高絶縁性を要求される電力機器の放熱性絶縁板
実用化に向けた課題
・大面積化
・面内均一性の向上
・金属との密着性の向上
・機械的強度等の他特性の評価・把握
研究者紹介
村上 義信 (むらかみ よしのぶ)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 准教授
researchmap
研究者からのメッセージ(企業等への提案)
この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。特にライセンス、共同研究、人材支援、情報交換などについて希望します。
知的財産等
掲載日:2021年03月30日
最終更新日:2021年03月30日