研究シーズの泉

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エレクトロマイグレーションによる断線課題を解決しました

ハイブリッド集積による投射型マイクロLEDアレイの開発

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

駆動回路一体型モノリシックマイクロLEDアレイにおいて、小型・集積化の際に課題となる高電流密度での配線のエレクトロマイグレーション(EM)現象を解決するため、縦型構造を用いた駆動回路を採用することで、発光部と、駆動回路部の一体形成を可能にする製造法を開発しました。

従来技術

LEDウェハを用いたアレイ一体形成方式での大規模集積化対応では、駆動電流の増大による配線断線が発生する可能性があります。

優位性

微細化・大規模化に伴う配線長の増大・細線化に起因した、印加電圧低下、発熱、効率低下等の問題を解決しました。

特徴

駆動回路一体型モノリシックマイクロLEDアレイ小型化製造方法

・エレクトロマイグレーションによる断線問題を解決し、大電流注入を実現可能にしました。

・モノリシックマイクロLEDアレイの使用による高精細化を実現できます。

《特徴》

  1. 縦型構造トランジスタをアレイ化して駆動回路を構成
    ⇒画素選択用配線と、発光部駆動用電流経路を区別(図1)
  2. 発光部と駆動回路を同一サイズ化してワンチップ化を実現(図2_1)
  3. 主要電流供給素子を縦型構造にすることで微細金属配線を除去(図2_2)
049_2 a.wakahara fig.1.1.png
図1 LED駆動電流の経路
画素選択時にはLED駆動電流は流れない
049_1 a.wakahara fig.1.0.png
図2_1 投射型デバイスイメージ図
駆動回路アレイ上にマイクロLEDアレイを
直接接合することで微細配線を介さず電流を供給
図2_2 1画素分駆動回路構造図
電流供給素子には縦型MOSFETを用い、
投射型デバイスに向けた大電流注入を実現

実用化イメージ、想定される用途

・高精細・高輝度小型投影機器、ディスプレイ
・マスクレスのパターン形成機
・超軽量HMD、デザイン性に優れたVRグラス
・バイオサイエンス用の光培養/分析アレイ
・光MIMOによる大容量ローカル通信

実用化に向けた課題

・高輝度駆動時の発熱の影響データ取得と熱伝達特性の解析
・UMOSFETを用いたアレイの試作・評価
・高精細用マイクロLEDと駆動回路共通のデザインルールの確立

研究者紹介

若原 昭浩 (わかはら あきひろ)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

UMOSFETのパワーデバイス技術保有企業やスマートグラス開発中企業、マスクレスパターニング分野への展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と考えています。この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2022年01月11日
最終更新日:2022年01月11日