研究シーズの泉

豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校の研究シーズが結集した横断的に検索可能なサイトです。

お問合せ メニュー

介護分野では、言葉によるコミュニケーションが重要です

実環境で使用可能な福祉ロボットの実現

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

⼈⼯知能(AI)ベースのロボットはさまざまな分野で⼈気を博し、介護ロボットの需要が⾼まっています。このような介護ロボットは、⼈間の状態などを認識または推定し、その結果に応じた⾏動をとります。本研究室では肘置きの上下運動により、⼈間の起立・着座もサポートできる歩行器型ロボットを開発しました。

従来技術

・環境やユーザを認識して自律的にロボットが動くため、動作の内容やタイミングを人間が理解できず、不安感を覚える。
・ロボットの動作がわからないため、人間がうまく動きを合わせられず、使いにくい。

優位性

・ロボットが人間に情報を適切に提示することによりアカウンタビリティを達成し、不安感を与えません。
・ロボットによる認識や推定が不完全であっても、お互いの協調により目的の動作を行うことができます。

特徴

【研究成果】

音声ガイダンスを用いた起立⽀援システム

使用者が肘置きに寄りかかった状態で肘置きを上昇させることにより、起立動作を⽀援するロボットシステムを開発しました。⾔葉によるコミュニケーションは介護にとって重要であるため、起立を誘導するガイダンスとロボットの動作のタイミングの提示に、音声を採⽤しています。

提示する情報の内容とタイミングを分析し、推定に基づいて⾏動するロボットがアカウンタビリティを果たし、推定が厳密に正確でなくてもシステムを有⽤にすることができることを明らかにしました。

  1. ロボットからの情報提示がないシステムは⼈間に不安を与え、推定が正確であっても使いづらい
  2. 適切な情報提示により、推定が厳密に正確でなくても、うまく起立支援を行うことができる
032_m.takeda fig.1.2.png
⽀援ロボットの側⾯図 (a)肘置きが低い状態 (b)肘置きが⾼い状態
032_m.takeda fig.2.3.png
音声誘導・⽀援の⼿順 (a)座位時の音声誘導「⽴ち上がりましょう」 (b)ユーザの前傾 (c)前傾終了時の音声誘導「3、2、1」 (d)音声指導後の肘置きの上昇

実用化イメージ、想定される用途

・介護福祉ロボット
・医療用ロボット
・産業用作業支援ロボット
・パートナーロボット
・見守りシステム

実用化に向けた課題

・⾼齢者を対象とした実証

研究者紹介

武田 洸晶 (たけだ みづき)
豊橋技術科学大学 機械工学系 助教
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2021年01月12日
最終更新日:2021年01月12日