
概要
内燃機関における燃料液体の噴霧や塗料や薬剤の噴霧などでは、噴射された個々の液滴が周囲気流との相対運動により分裂して微細化しています。この噴霧流動を数値シミュレーションするには気流の作用による液滴や液噴流の分裂モデル構築が必要であり、実験と数値解析の両面から研究しています。

従来技術
噴霧状態の評価は吹付状態の目視評価や現象面での評価となり、不具合の原因究明が難しい
優位性
写真撮影による現象把握、モデル化、分裂モデルの選定により数値シミュレーションができ、原因の究明、対策検討、検証が可能
特徴
液体の微粒化技術は、自動車用エンジンにおける燃料噴霧の生成、噴霧塗装、粉末製剤・食品の製造、液剤散布など幅広い分野で利用されています。微粒化特性を改善すれば、例えばエンジンでは排気ガス中の有害物質が低減されるほか熱効率の向上も期待でき、これには微粒化装置における噴霧生成過程の解明と、微粒化特性の計測が必要です。本研究室では、液滴分裂・液柱分裂などの液体微粒化の素過程並びに圧力微粒化装置や二流体式微粒化装置、回転微粒化装置、静電微粒化装置などにおける 噴霧生成過程について瞬間写真・ハイスピードビデオにより詳細に観察するとともに微粒化特性を測定しており、各種微粒化装置の有効な利用方法や特性改善策の提案が可能です。


実用化イメージ、想定される用途
・噴霧を伴う機器の不具合等の原因究明、対策検討
・噴霧機構の改善検討
・内燃機関用の燃料噴射装置
実用化に向けた課題
噴霧に関わる課題は、用途ごとに問題となる現象が異なり、また噴霧装置ごとに特性が異なりますので、一般的な解決方法はありません。すべて個別に対応します。
研究者紹介
鈴木 孝司 (すずき たかし)
豊橋技術科学大学 機械工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
課題をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年06月01日
最終更新日:2020年06月19日