研究シーズの泉

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マグネシウム合金の高強度化と高機能化をめざします

DRF法による高強度マグネシウム合金棒の開発

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

アルミニウム合金に代わる次世代軽量構造材料として期待されているマグネシウム合金ですが、実強度が低く、自動車等の構造部材としての適用は進んでいません。私たちは、全く新しい加工技術である変形拘束高負荷鍛造法(DRF: Deformation Restricted Forging)を開発し、これを市販マグネシウム合金に適用し、希土類添加型マグネシウム合金を超える強度を達成しました。

従来技術

・熱間押出マグネシウムの強度はアルミニウム合金と比べ低く、特に低降伏強度は様々な部材への適用の障害でした。
・希土類添加型マグネシウムはコストが高く、希土類が戦略物質のため供給に不安が残ります。

優位性

・降伏強度、引張強度が共に高く、他の加工方法との組み合わせで様々な形状に製造可能です。
・低コスト化が期待できます。

特徴

【変形拘束高負荷鍛造(DRF)法】

市販マグネシウム合金に破壊応力を大幅に超える高負荷を加えて、組織を微細化と高強度化を図る技術
本技術により、高強度DRFマグネシウム合金丸棒20mmfと49mmfを開発しました。

  1. 引張強度は450 MPa、降伏強度は400 MPa、塑性伸びは5%前後です。(図1、図2)
  2. 希土類を含まない市販マグネシウム合金を出発材とするため非常に安価です。
  3. 曲げ加工、異形状材や平板への適用技術も同時に開発したことにより、様々な部材への適用と展開が可能です。
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図1 引張試験結果
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図2 圧縮試験結果
表1 DRFマグネシウムの特性比較
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実用化イメージ、想定される用途

・高強度アルミ合金、樹脂材料からの置換え
 例:自動車等の構造部材、車いす、携帯電話、航空機用部品、分割露光装置ヘッド、防刃、防弾具、ドローン等

実用化に向けた課題

高強度化と低価格化のバランスを得るための技術開発

研究者紹介

三浦 博己 (みうら ひろみ)
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

高強度と低価格のバランスを保ち、さらに加工性も優れるこの技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2021年05月13日
最終更新日:2021年05月13日