
概要
LED光源にはこれまでの植物育成用光源になかった優れた点があります。その LED光源の特長を活かし、キク、バラ、アオジソ、トマトなどの植物群落内で光が不足する部位にLED光源を使って補光し、その光合成促進効果、収量や品質に及ぼす影響を評価し、効率的な補光方法を検討しています。

従来技術
ナトリウムランプ、蛍光灯などは、光源自体が発熱し、照射光に赤外線放射を含むため、光合成促進に必要な強い光を照射することは困難でした。
優位性
LED光源は発光面の表面温度が低く、赤外線放射が少ないことに加えて、照明器具の小型化・軽量化が可能なため、植物に近づけて強い光を照射できます。
特徴
これまでもLED光源は農業に利用されることがありましたが、その多くは弱い光でも作用するキクなどの花芽分化抑制、害虫の忌避、病害抵抗性の誘導に限られていました。
LED光源には長寿命、省電力、特定波長の照射が可能な以外に、発光面の表面温度が低く、赤外線放射が少ないといった特長もあります。さらに、LED光源は照明器具の小型化・軽量化できるため、植物に近づけて強い光を照射できます。
農作物生産の基本は光合成です。光合成には比較的強い光が必要です。LEDを使って、植物群落内で光が不足する部位に補光することで、光合成を促進し、収量や品質向上が期待できます。
実用化イメージ、想定される用途
・日射量が少ない地域、時期(梅雨、冬期)における補光
・農産物の高付加価値化
・植物工場
実用化に向けた課題
・作物別のLED照射方法の最適化
・LED導入による費用対効果の検証
研究者紹介
熊﨑 忠 (くまざき ただし)
豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター 特任助教
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年07月13日
最終更新日:2020年07月13日