研究シーズの泉

豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校の研究シーズが結集した横断的に検索可能なサイトです。

お問合せ メニュー

地形変化を高精度で捉え問題解決や現象の解明に取り組みます

河口・沿岸域における土砂動態と地形変化の把握

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

無人航空機 (UAV:Unmanned Aerial Vehicle)により短時間で大量の空中写真撮影を行うことで、水域条件が時々刻々変化する水辺の地形を限られた時間内で計測し、水辺の地形の3次元形状や、その地形変化を詳細に把握することを目的としています。

従来技術

レベルやトタルステーション(TS)を用いた計測では、地形の3次元形状を把握するためには非常に多くの計測を行うことが必要で、時間も労力もかかります。

優位性

・UAVを用いた空中写真撮影により、対象領域の3次元地形データを容易に取得でき、撮影条件次第で高精度の計測も実現できます。
・現地での調査時間や作業量、人員を削減できます。

特徴

【研究事例】

UAVによる干潟地形計測精度の検証

標定点(GCP)の数・配置や、空中写真撮影の条件を工夫することで、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)測量結果との比較から誤差±5cm程度の高精度地形計測がUAVによって可能となりました。

また、潮汐による水位低下が大きく広範囲の干潟が干出する夏季では、GNSS測量(GCPの位置情報取得)、UAVによる空撮、共に2時間程度で、干出範囲がやや狭くなる冬季においては1時間程度で調査が可能であり、干潟の干出時間内での地形計測が可能です。

131_1 katou fig.3.1.png
GNSSによる標高データとUAVによる標高データの比較
131_1 katou fig.1.2.png
UAVによる干潟の地形変化の調査結果(1):平面地形変化
131_1 katou fig.2.1.png
UAVによる干潟の地形変化の調査結果(2):2週間での干潟の断面地形の変化

実用化イメージ、想定される用途

・地形変化や土砂環境の高頻度モニタリング
・3次元地形データを用いた土砂動態の把握

実用化に向けた課題

・高精度計測を実現するための地上標定点(GCP)の効率的な配置の検討が必要です。
・計測精度確保のためには、調査環境・条件ごとの計測精度の検証が必要です。

研究者紹介

加藤 茂 (かとう しげる)
豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系 教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年07月28日
最終更新日:2020年07月28日