研究シーズの泉

豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校の研究シーズが結集した横断的に検索可能なサイトです。

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書き換え可能な大容量データストレージ

磁気ホログラフィックメモリの開発

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

磁性材料をキーマテリアルとして、今までに無い新しいデバイスの実現を目指して研究を進めています。年々増え続ける膨大な情報を保存する技術として、我々の研究室で開発されたコリニアホログラフィックメモリ(データストレージ)の実用化を目指しています。

従来技術

・BDでも4K, 8Kの高精細放送の記録には容量が十分でない。
・記録メディアのフォトポリマーの材料安定性が高くない。
・フォトポリマーはライトワンス。

優位性

・1TB/disk以上の大容量かつ高転送速度な記録、再生が可能です。
・酸化物系記録材料(Bi:RIG)を用いるので材料的に安定です。
・書き換えが可能です。

特徴

本研究室では、光の干渉を用いるホログラフィックメモリにコリニア干渉法という独自の方式を用いて、ホログラフィックメモリドライブのプロトタイプを作製する等、実用に値する成果を得てきました。近年、磁性酸化物膜に磁気的に記録した磁気ホログラムによるデータの書き込みと再生を世界で初めて実証し、その実用的なポテンシャルを証明したと考えています。

【磁気ホログラムの記録媒体の開発】

  • 本研究室では体積的にホログラムが記録できる、透光性のある磁性ガーネット系材料(Bi:RIG)を記録材料として用いています。このBi:RIG膜は粒径数10nm程度多結晶膜で、この一つ一つの結晶粒が磁気的な情報を持ち干渉縞を作るので、磁気ホログラムの記録に必要なサブミクロンの大きさの干渉縞も形成できます。
  • 体積的なホログラム記録のため、磁性膜と透明層からなる多層膜構造を開発し、従来の単層膜より高い回折効率(明るい再生光)が得られることを示しました。

<記録・再生上の課題対策>

  • 像が暗い:多層膜構造や磁性フォトニック結晶構造を記録メディアに導入
  • 高記録密度化:磁気ホログラム記録に適した、多重記録方式の開発。
057 中村 図1.png
磁性ガーネット系酸化物膜(透光性が高い)
057 中村 図2.png
磁気ホログラムへの記録パターンと再生画像

実用化イメージ、想定される用途

・記録・再生可能な大容量の磁気ホログラムディスクドライブ
・大容量データのコールドストレージ用システム

実用化に向けた課題

・高記録密度化に向けた記録方式の改善及び記録メディアの開発

研究者紹介

中村 雄一 (なかむら ゆういち)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 准教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

Blu-rayを超える大容量記録方式となりうる技術です。この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年05月10日
最終更新日:2020年06月19日