研究シーズの泉

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パイロット汚染問題の解消を目指しています

大規模MIMOのためのブラインド通信路推定法の構築

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

MIMO(multiple-input multiple-output)とは、送受信側で複数のアンテナを利用して情報伝送を行う無線通信システムのことです。特に大規模MIMOでは、基地局に数百本のアンテナを用意することで、数百人のユーザを同時にサポートすることが求められ、大規模MIMOにおける効率的な受信方式の創出を目指しています。

従来技術

・ユーザ間の電力差が必須。
・推定アルゴリズムの収束が遅い。

優位性

・ユーザ間の電力差が不要。
・推定アルゴリズムの収束が早い。

特徴

大規模MIMOの性能を劣化させる要因として、ユーザから基地局に情報を伝送する上り回線での通信路推定で、パイロット汚染問題が生じることが指摘されていました。パイロット汚染とは、上り回線を利用して通信路状態情報(CSI: Channel State Information)を推定する際に、異なるセルに属するユーザが共通のパイロット系列を使用してしまった場合に、それらのユーザに対するCSIを正しく推定することができず、結果的に下り回線でのビーム方向を正しく定めることができなくなって同ユーザに対して干渉が生じてしまうという問題です。

【解決策】

近似的メッセージ伝播法に基づいて、ブラインド反復通信路推定法を構築しました。初期化方法を工夫することで、システムの負荷が高い場合にも同反復法の収束特性を改善することに成功しました。

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大規模MIMO

実用化イメージ、想定される用途

高速、大規模無線通信システムでの通信品質改善

実用化に向けた課題

・アンテナ間の空間相関の検討
・見通し環境への対処

研究者紹介

竹内 啓悟 (たけうち けいご)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年06月22日
最終更新日:2020年06月22日