研究シーズの泉

豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高等専門学校の研究シーズが結集した横断的に検索可能なサイトです。

お問合せ メニュー

超高感度バイオセンサ作れます

多項目バイオマーカー検出のためのMEMS光干渉型バイオセンサ

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

身の回りでセンシングの対象となる、においや生体情報などの化学量を計測するセンサデバイスの開発は物理センサと比較して研究が遅れています。本研究室では、化学物質や生体分子の吸着量を測るケミカルバイオセンサとして、吸着分子間の分子間相互作用や質量に着目し計測するMEMS技術を研究しています。

従来技術

・多項目診断が困難、抗体試薬使用量多い
・MEMS型バイオセンサは変換効率が低く感度が悪い

優位性

ファブリペロー干渉計の光透過率は指数関数的に変化するので、ピエゾ抵抗素子を用いた方式より、最少検出限界が100倍以上改善できます。

特徴

タンパク質などの生体分子同士の相互作用を電気信号に変換する技術として、半導体集積回路基板上にナノキャビティを有する薄膜を作製し、MEMSファブリペロー干渉計とバイオセンサ技術を融合し、ラベルフリー且つ超高感度に分子相互作用を測定できるセンサを開発しました。さらに、検出部分にCMOSイメージセンサ回路を設けることにより、多項目のバイオマーカーを同時に検出することが可能です。

【特長】

  • 膜変位に対し、光透過率は指数関数的に増加・減少をするため超高感度
  • シリコンよりも柔軟な材料を用いて、分子間力に対する変形量を増大可能
  • アレイ化したセンサにより複数種類の抗体を短時間にスクリーニング可能
054_1 高橋先生 図1.2.png
MEMS光干渉型バイオセンサ
054_1 高橋先生 図2.2.png
MEMS光干渉型バイオセンサ模式図

実用化イメージ、想定される用途

・家庭での病気(がん、心筋梗塞、アルツハイマー病など)マーカー検出、早期診断、治療の効果確認
・ウイルスのその場検出
・創薬における研究開発ツール
・細胞の代謝活性評価や神経伝達物質のイメージング

実用化に向けた課題

・安定した液中測定を行うための封止・実装技術の向上
・抗体分子とセンサ界面の処理技術
・異なるマーカー抗体・レセプタを素子毎に塗り分ける技術の開発

研究者紹介

高橋 一浩 (たかはし かずひろ)
豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所  教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2023年02月09日
最終更新日:2023年06月23日