研究シーズの泉

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形状や配列が高度に制御された金属および金属酸化物ナノ構造体を作っています

無機ナノ材料の液相合成と光学・光電気・光触媒特性

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

金属やその化合物のナノ構造体はその新奇な特性から大きな注目を集めています。私たちはこれまでにないナノ構造体を安価な液相合成法で作製することにチャレンジしています。例えば、表面プラズモン共鳴を示す無機ナノ材料や、巨大なヘテロ界面を有するナノ複合材料を合成し、その特性を評価しています。

従来技術

バルク材料が示す特性を利用できます。

優位性

高度に設計されたナノ材料を作製することで、表面プラズモン共鳴や量子サイズ効果により、大きく向上した特性を利用できます。

特徴

例えば、金属ナノ粒子を広範囲にわたって規則的に配置し、ナノ粒子特有の特性(表面プラズモン共鳴等)を集団的に誘起することで、新規光学・触媒デバイスへの応用が可能となります。メソ細孔構造を有した無機材料を用いて、金属をその細孔内へ化学的に析出させることで、金属ナノ粒子が規則的に三次元配置された、金属-無機ナノハイブリッド材料の作製を行います。

図のように、形状や配列が高度に制御された貴金属ナノ粒子の作製に成功しました。これは特異的な光触媒作用を示すことや配列の周期性を高めることで、超薄膜偏光子への応用も可能であることを明らかとしました。

他にも合成に成功した金属および金属酸化物ナノ材料の種類は多岐にわたっており、その応用範囲は光触媒や光学素子に限らず、太陽電池やメモリ材料などに亘っています。近年は特に、太陽電池と光触媒を組み合わせた、プラズモニック水分解システムの研究に力を入れています。

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実用化イメージ、想定される用途

・水分解用光電極触媒
・太陽電池の光電極
・光変調素子
・表面増強ラマン散乱(SERS)基板
・ナノ構造が有効な素子

実用化に向けた課題

多用なナノ材料を作製する技術は既にあるため、具体的な応用先について、個別の課題をクリアできるナノ材料の選定が必要です。
その上で、性能の向上に向けた検討を行い、実用化の可能性を実証することが必要です。

研究者紹介

河村 剛 (かわむら ごう)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 准教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談をお受けします。また共同研究等のご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年07月21日
最終更新日:2020年07月21日