研究シーズの泉

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電池の未来は明るいよ

酸化物系全固体電池の研究開発

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

電気自動車・燃料電池自動車等のクリーンビークルや自然エネルギー発電分野、更にはセンサ・ウェアラブルデバイス等での利用も見据え、次世代型二次電池の高安全化・低コスト化・高性能化・高信頼化に資する研究開発を幅広く展開しています。

従来技術

・可燃性のある電解液使用のため、液漏れや破裂、発火の恐れがあります。
・電解液と正極・負極との間で副反応があり、高温では電池性能が劣化しやすくなります。

優位性

・液漏れや破裂、発火の恐れがなく、安全性・信頼性の抜本的向上が図れます。
・化学的に安定な酸化物を使用するため、取り扱いが容易で高温でも安定動作が可能です。

特徴

現行のリチウムイオン電池が抱える課題(下記)を克服する「酸化物系全固体電池」の研究に取り組んでいます。キーマテリアルとなる酸化物固体電解質(酸化物イオン伝導体)の性能向上や薄型成型技術、更には正極・負極材料との一体化(固体間界面形成)技術に関する検討を進めています。

【現状のリチウムイオン電池の課題】

  • 可燃性の電解液を使用するため、液漏れや破裂・発火の恐れがある。
  • 電解液と正極・負極材料との間で副反応があり、特に高温環境下において電池の安定動作が困難。
  • エネルギー密度の更なる向上が必要(特に車載電源用途)、高コスト(資源的制約)、等。
050_1 稲田 図1.png
高性能Li+, Na+伝導性酸化物固体電解質の開発
050_1 稲田 図2.png
AD法による酸化物固体電解質上への電極形成

実用化イメージ、想定される用途

・センサ/ウェアラブルデバイス用超小型電源
・定置型電力貯蔵システム用大型電源
・車載用中型電源 など

実用化に向けた課題

・高いイオン伝導率と化学的・電気化学的安定性を備えた酸化物固体電解質(材料)の開発
・正極・負極材料と固体電解質間での強固な固体間界面形成技術(プロセス)の開発
・固体ならでは電池構造(積層化、等)の実現

研究者紹介

稲田 亮史 (いなだ りょうじ)
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授
researchmap

研究者からのメッセージ(企業等への提案)

化学的に安定で取扱いが容易な酸化物材料を使い、優れた安全性・信頼性を備えた全固体電池の実現に挑戦しています。この技術にご興味がありましたらご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年04月30日
最終更新日:2022年08月01日