概要
近年、高輝度なX線源である放射光を利用したコンピュータ・トモグラフィー(CT)や研究用のCT装置の高分解能化が進み、各種材料の複雑なミクロ組織を三次元的に評価することが可能となりました。高分解能CTで得られた材料ミクロ組織の構造を効率的に定量評価する手法を研究しています。
従来技術
顕微鏡法:切断面表面のみの情報収集となり、要因の特定に時間がかかることがあります。
優位性
材料内部の気孔(ポア)などの製造欠陥や分散・析出粒子の体積率、分布、形態を非破壊観察、評価可能です。
特徴
高分解能コンピュータ・トモグラフィー(CT)を活用した各種材料のミクロ組織の三次元構造可視化技術及び応用技術の研究を行っています。高輝度放射光を用いれば、1μm~160nm程度の分解能で材料内部を非破壊観察することができ、それを応用し、例えば、金属材料の延性破壊過程、熱処理による組織変化などの調査が可能です。
また得られた三次元画像からイメージベースのFEシミュレーションを構築し、組織構造に起因するメカニズム等を検討することもできます。
実用化イメージ、想定される用途
各種材料特性決定因子の特定や各種材料特性改良、新規開発
実用化に向けた課題
・解析技術の高度化
・解析手法やモデリング手法の確立
・解析時間の短縮、実験と解析間の詳細検証等
研究者紹介
小林 正和 (こばやし まさかず)
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)
各種材料の特性解析、新規開発には微細組織の評価が必要不可欠と考えております。このようなニーズをお持ちの企業の技術相談や共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。
知的財産等
掲載日:2020年05月27日
最終更新日:2022年08月01日