研究シーズの泉

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極小の駆動源を実現しました

ワイヤレスアクチュエータを利用したマイクロマニピュレータ

ステータス 基礎 実証 実用化準備

概要

感温磁性体と永久磁石とレーザを組み合わせたアクチュエータは、配線が不要で、簡単な構造をもち、遠隔駆動・エネルギー供給が可能です。このアクチュエータを用いた独創的なマイクロマニピュレータを実現を目指しています。

従来技術

・汎用だが、複雑、大型で有線の機械式
・ワイヤレスだが、発生力の小さいレーザマニピュレータ、など

優位性

簡単な構造で小型化に適し、発生力が比較的大きく、配線不要で、遠隔駆動・エネルギー供給が可能です。

特徴

【ワイヤレス微小アクチュエータの構成と原理】

感温磁性体は、温度上昇とともに飽和磁束密度や透磁率が低下する材料で、100℃以下の比較的低温でも、その変化が現れます。

その感温磁性体と永久磁石、レーザを組み合わせてワイヤレス駆動を可能とした、微小アクチュエータを図に示します。

(a)はアクチュエータの初期状態です。2組の永久磁石グループから生じる磁束は、感温磁性体を介して元の永久磁石グループに流れ、磁路を形成しています。

この感温磁性体を通過する磁路に、(b)のようにレーザを照射して加熱すると、磁気抵抗が増加し、そのため磁気抵抗が小さくなるように、加熱部分が磁路の外に出るように感温磁性体に推力が作用し、(c)に示されるように移動します。

レーザの照射位置を固定すれば、同一方向へ移動する推力が連続的に発生し、照射位置をずらすことで、推力方向を変更することができます。すなわちレーザ光照射により、配線なしで感温磁性体の運動を制御することができます。

図は、並進運動の例を示していますが、回転運動も同様に実現されます。

これまでに、把持アクチュエータ、回転アクチュエータ、平面モータを試作しています。

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アクチュエータの駆動原理

実用化イメージ、想定される用途

・細胞や人工微小物の特性評価、生体を含めたマイクロ部品の組み立てなどに利用するマイクロマニピュレータ
・省エエルギーを重視する調整装置
など

実用化に向けた課題

・適した冷却システムの実現
・温度環境を考慮した制御系の実現
・温度管理に適した構造
・システム統合化
など

研究者紹介

佐藤 海二 (さとう かいじ)
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
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研究者からのメッセージ(企業等への提案)

この技術にご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

知的財産等

掲載日:2020年08月21日
最終更新日:2020年08月21日