三浦 博己(みうら ひろみ)
所属 | 機械工学系 |
---|---|
職名 | 教授 |
専門分野 | 材料工学 (構造材料,材料加工・処理学) |
学位 | 博士(工) (東京工業大学,1994年) |
所属学会 | 日本金属学会 / 日本鉄鋼協会 / 日本機械学会 / 軽金属学会 / 日本銅学会 |
miura@me ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
|
研究室web | http://str.me.tut.ac.jp |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
三浦・小林研究室における研究テーマは、金属・合金のバルクナノメタル※の創製と高強度化、塑性変形、破壊などに関する諸問題や、高温加工とその後の熱処理に基づく組織制御などです。また組織や強度の評価を実験的手法と計算的手法により、合理的かつ客観的に行います。走査型電子顕微鏡(SEM-EBSP)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回折装置、数値計算などを用いて材料の構造解析を原子レベルで行います。
※結晶粒径がナノメートルオーダーの新素材バルク金属
テーマ1:難加工性材料の高温加工とその関連問題に関する研究
概要
アルミニウム合金に代わる次世代軽量構造材料として期待されているマグネシウム合金であるが、実強度が低く、自動車等の構造部材としての適用は進んでいない。私たちの研究室では、従来の加工熱処理法に巨大ひずみ加工プロセスの一つである多軸鍛造のプロセスを加えることで、難加工性材料のマグネシウム合金の高強度化と高機能化を図り、実用化を目指している。
図は、独自に開発した「多軸鍛造法」により製造した世界最高強度650MPaの引張強度を誇るマグネシウム合金と、それから作った自転車用ホイールハブ等である。極めて高強度かつ軽量なことから、スポーツ用品を初めとする様々な構造部材への適用が期待されている。最近は、さらに新しいマグネシウム合金の強化方法であるDRF法を開発し、製品化が近く、その基礎物性データを収集中である。
最近は、これらの知見を活かした"ヘテロナノ組織"の開発に成功しており、NEDO等の資金援助を受けて、実用化研究を進めている。
キーワード
テーマ2:加工熱処理による組織制御と材質改善に関する研究
概要
金属基機械材料の高強度化と加工性のバランスを向上させるため、高温加工中に起こる現象「動的再結晶」を利用し、組織制御を行っている。これにより、高温での加工生産性の大幅な向上、室温での強度と機械加工性の良バランスを実現できる。
図は、銅合金の高温変形によって得られた応力-ひずみ線図で、動的再結晶による「加工軟化」現象が見て取れる。加工軟化によって大型部材の高温塑性加工が可能になり、また動的再結晶の発現による結晶粒微細化による高強度化と信頼性向上が、実用材に重要な特性向上をもたらしており、実用金属・合金の製品化と組織制御に最も重要な研究の一つとなっている。国内での研究者が少なく、また工場における生産工程においても重要な技術でもある。
キーワード
テーマ3:バイオマテリアル
概要
純チタンは生体適合性に優れているものの、強度が不足しているため、例えば歯科用インプラントではチタン合金が利用されることが多い。しかしこの場合、生体拒絶反応や人骨ヤング率との違いから起こる顎骨破壊等が問題となっている。私たちのグループは、人体に優しい純チタンの高強度化を進め、高強度化と低ヤング率化を達成している。さらなる高強度化と低ヤング率化を図るべく研究を進めている。
既に2種工業純チタンにおける世界最高強度を達成しており、生体材料の他に各種構造材としての実用化を目指して研究を進めている。学生皆さんの研究参加を期待します!
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
材料科学、材料信頼性工学、M材料保証学、英語特別コース科目、機械工学実験
その他(受賞、学会役員等)
組織制御による高強度高機能銅合金の開発、強圧延による高強度ステンレス鋼の開発、多軸鍛造による世界最小結晶粒の達成