2017.02No.143(オンラインNo.25)

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大学探訪

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もくじ

Chapter1電気・電子情報工学課程・専攻の紹介

電気・電子情報工学系 系長
滝川 浩史(たきかわ ひろふみ)

電気・電子情報工学課程・専攻は材料エレクトロニクス、機能電気システム、集積電子システム、情報通信システムの4コースで構成されており、多彩な分野で将来を担う技術者の育成を行っています。各コースの教育研究の概要・アピールポイントは以下の通りです。

■材料エレクトロニクスコース(電気・電子情報工学系 助教 河村 剛)

相分離型マルチフェロイック新材料の開発とデバイス化
図: 相分離型マルチフェロイック新材料の開発とデバイス化

材料エレクトロニクスコースは、電気・電子情報工学分野を支える「材料」を研究するコースです。
当コースの中ではさらに、光、磁気、イオンに関わる研究グループに分かれていますが、グループ間での連携も密に行われています。その結果、これまでにない多様な「材料」を創り、その特性を明らかにする研究が多く行われています。
最近は、表面プラズモン導波路や人工磁気格子の創製、革新的新電池の構成材料などの研究開発が特に活発であり、米国MITを含む多くの海外研究機関との共同研究も実施されています。
教員やスタッフだけでなく、学生にも研究活動の重要な役割を担ってもらうことで、世界で活躍できる技術者・研究者の育成も同時に行っています。

■機能電気システムコース(電気・電子情報工学系 助手 川島 朋裕)

機能性保護膜コーティングによる高機能切削工具の開発
図: 機能性保護膜コーティングによる高機能切削工具の開発

機能電気システムコースは、持続的発展型社会の構築に欠かせない電気エネルギー技術に関する研究をしています。
研究成果としては、電気エネルギーを発電・送電・貯蔵・利用する電力システムだけでなく、近年の機器の高効率化・小型化や省エネルギー化の要求を背景にパワーエレクトロニクス技術や機能性材料の開発、電力とは一見隔たりのある医療・ヘルスケア等にも応用範囲が広がっています。
従来の電力関係の企業との共同研究も盛んですが、電力分野以外の企業からの技術相談・共同研究の件数が増加していることからも、電力に関する基礎知識・技術を修学・習得した技術者の必要性を強く感じます。
本コースでは、学生が研究実施の主体となって企業との共同研究にも参加しています。現代社会の電力に関する問題解決に教員と共に取り組むことで、未来の電気システムを支える人材になれることが本コースの魅力です。

■集積電子システムコース(電気・電子情報工学系 助教 山根 啓輔)

(a) Si/SiO2/GaN/sapphire基板上へのGaN-μLEDとSi-nMOSFETのモノリシック集積の概略、(b) 作製したデバイスの駆動時の様子、(c) デバイスの入出力応答
図: (a) Si/SiO2/GaN/sapphire基板上へのGaN-μLEDとSi-nMOSFETのモノリシック集積の概略、(b) 作製したデバイスの駆動時の様子、(c) デバイスの入出力応答

集積電子システムコースでは、集積回路・センサ・光デバイスなどの研究を通して、高度情報化社会を支えるエレクトロニクス分野で活躍できる研究者・技術者を養成しています。
4年生の前期には、本学が有するLSI工場を利用してn-MOS集積回路の作製実験行い、半導体プロセスの基礎を自身の体を動かしながら身につけることができます。また、本コースの全ての教員がこの実験に参加しますので、配属1年目から研究室の垣根を越えて質問や相談ができるようになります。また、多くの機器を、共同で運用しているため、大学院進学後も材料開発や一部のプロセスの研究だけにとどまらず、デバイス化まで実証できる貴重な環境があります。
これらを活用して国内外の大学・企業との共同研究も積極的に行っています。学生の皆さんには、是非本学をフル活用して、本物の実力をつけて卒業していただければと思います。

■情報通信システムコース(電気・電子情報工学系 助教 坂井 尚貴)

ワイヤレス給電によるバッテリーレス電気自動車の走行実験
図: ワイヤレス給電によるバッテリーレス電気自動車の走行実験

情報・通信システムコースでは、放送・通信・交通運輸・家電・医療福祉・環境・エネルギーなど21世紀の社会を支える基幹産業分野で活躍できるICT研究技術者を養成しています。
本コースでは、ノートと鉛筆で進める理論から、パソコンを駆使するソフト、ハンダゴテ片手に回路製作するハードまで、あらゆる技術に携わります。学生の皆さんは自分にピッタリ合う研究に出会えること間違いなしです。また、自主性を尊重する先生、親身に指導してくれる先生、先頭に立ち学生を引っ張る先生、様々な先生に出会えることも本コースの魅力です。

以上述べたとおり、各コースにおいて、医工連携・農工連携などの異分野融合による新たな学際領域開拓や、未来を先取りした先端的研究テーマ、あるいは地域・産業界と緊密に連携した研究開発などに学生が自ら取り組むことで、将来有意な技術者としての素養を高めることができます。充実した教育研究環境の下、大学院博士後期課程までの一貫した教育研究プログラムで、世界をリードする先端的技術者の育成を行っています。

Chapter2未来のビークルシティ実現に向かって!

未来ビークルシティリサーチセンター長
大平 孝(おおひら たかし)

未来ビークルシティリサーチセンターでは、低炭素社会において持続的に発展する安全・安心都市の創成を目的として、CO2を低減する「低炭素社会」と少子高齢化に伴う「安全・安心社会」を重点課題としてとらえ、「持続的に発展可能な社会」にふさわしいビークルシティの構築を目指した研究活動を推進しています。
具体的には、
1.「低炭素社会と産業育成」として、電気自動車が移動手段の主流となる低炭素なビークルシティの研究、
2.「低炭素社会と安全・安心社会」として、交通弱者に配慮した安全・安心なビークルシティの研究、
3.「低炭素社会と先端省エネルギー」として、低炭素化社会を支える省エネルギー技術と新たな社会システム
の研究に挑戦しています。
今回は、各コアからピックアップした研究室をご紹介します。

文部科学省エントランスでの展示の様子
文部科学省エントランスでの展示の様子

【1.低炭素社会と産業育成コア】
走行中給電の研究(波動工学研究室)
センター長/教授 大平 孝、助教 坂井尚貴

環境にやさしい乗り物である電気自動車。最近では航続距離が長い車種も開発されてきています。しかし依然として、バッテリーの充電時間が長すぎるという課題が未解決です。もし電気自動車が電車のようにインフラから直接エネルギーを受けながら走行できれば、バッテリー問題の解決に大きく寄与できます。
本研究室では、高速道路の路面に埋設した鉄板から電気を受けながら走行する新しい電気自動車の実現を目指しています。このたび研究成果「走行中給電」が日経テクノロジー展望「世界を変える100の技術」(日経BP社 編)のひとつに選ばれました。この「走行中給電」の動作原理ついて、H29年1月~2月の期間、文部科学省のエントランスにおいて、1/10サイズの模型を用いてご来庁の方にわかりやすくご紹介しています(動態実演)。

自動車プローブデータによる抜け道交通(生活道路通過交通)の抽出
自動車プローブデータによる抜け道交通(生活道路通過交通)の抽出

【2.低炭素社会と安全・安心コア】
交通ビッグデータを活用した交通安全マネジメント手法に関する研究(交通計画・交通工学研究室)
助教 松尾幸二郎

本研究室では、交通事故統計データに加えて、自動車プローブデータやドライブレコーダデータなど交通ビッグデータを活用した交通安全マネジメント手法の構築を目指しています。
具体的には、愛知県や豊橋市を対象として、地点別事故危険度の評価や要因分析、特定事故危険地点における詳細な調査・シミュレーション分析、それらに基づく対策の立案・評価を行っています。また、安全運転をすると得をするインセンティブプログラムに関する研究も行っています。

研究室のメンバー
研究室のメンバー

【3.低炭素社会と先端省エネルギーコア】
ビークルシティの未来を考えよう(社会システム工学研究室)
准教授 渋澤博幸

本研究室では、社会システム工学のアプローチで、未来のビークルシティの未来像を研究しています。ハイブリット自動車、電気自動車、水素自動車、そして自動運転車が普及することによって、私たちの生活、地域、経済、環境・エネルギー、ビークル産業、社会インフラはどのように変化するのでしょうか。そして未来の都市はどのようになるのでしょうか。未来のビークルシティシステムのあり方を探求しています。

Chapter3総務課の業務

総務課長
森田 一司(もりた ひとし)

豊橋技術科学大学は、平成28年に開学から40周年と、大きな区切りの時期を迎えました。また、国立大学法人は、平成28年度から第3期中期目標期間に入り、新たな目標に向けて、日々業務に邁進しているところです。

さて、総務課は、大学全体の組織運営を支えていく、非常に幅広い業務を行う部署であり、総務係、広報係、人事係、給与共済係、職員係の5つの係から構成されています。

総務係では、入学式、卒業式などの各種式典の実施、大学の重要事項を決定する会議の運営・取りまとめ、大学全体の各種調整業務などを行っており、広報係では、記者会見や広報誌の発行、ホームページなどによる広報活動を行うほか、FM豊橋での番組製作やfacebookなどを通じて、大学からの様々な情報発信を行っています。

また、人事係では、教職員の採用・雇用や人事計画・異動などを、給与共済係では、給与・諸手当の支給、健康保険などの手続きを、職員係では、勤務時間管理、健康管理などに関する業務をそれぞれを行っています。

この人事係、給与共済係、職員係での業務は、大学で働く全教職員に関わりがあり、それぞれが、重要な内容の事項に、正確かつ安定して対応していくことが求められる部署となっています。

国立大学法人の総務課では、正確な事務処理に止まらず、教育研究をはじめ、大学全体を活性化させ、その構成員が魅力を感じる職務環境を作り上げていくため、様々な制度の構築や環境の改善など新しい取組みにも、積極的に対応しています。

最後になりますが、総務課は、地味ながらも、大学運営の潤滑油として、また縁の下の力持ちとしての役割を果たすべく、今後とも、着実に、各種業務遂行に一層努力してまいります。

総務課

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