2015.07No.140(オンラインNo.22)

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大学探訪

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Chapter1両技科大が協調した高専連携活動

高専連携室長
電気・電子情報工学系教授
澤田 和明(さわだ かずあき)

140daigaku_kou1.jpg約9,000人の高専本科卒業生のうち約700人が、長岡と豊橋の両技科大に進学しているというのが、ここ数年の状況です。一方、他大学の3年生に編入している学生は1,400人を越えています。さらに、両技科大が、高専学生のために創立されたことを知らない高専教員の方も増えているという実情です。高専教員のご出身の大学も、両技科大の比率は次第に少なくなっており、技科大の役割を御理解いただくことが、必要だと両技科大の高専連携室長で危機感を持っております。

一方、両技科大を修了した学生数を合計すると、東京大学に次いで5位(理工科系単科大学においては、東京工業大学に次いで2位、平成3年から平成23年度合計)と多くの修了生を排出しているばかりではなく、ある雑誌の統計によれば、主要400社へ就職する割合は、両技科大共に約25%(近隣のある国立地方大学は数%とのデータがのっていました。)と、両技科大修了生が日本の主要企業で活躍していることがわかります。これらのことは、高専を卒業した学生の皆様にとって、社会に必要とされる人材になるための最適な大学であることを示しているものと思います。さらに、科学研究費や企業との共同研究の実績、文部科学省の重要プロジェクトを進めていることなど、社会からも良い人材を育てている機関との評価を受けてきました。 

これまで、高専の学生の皆様に、"高専からの編入生が多い"ことと、"両技科大は高専のカリキュラムとの接続性が良い"ことを、高専エキスパートが高専訪問時に伝えてきました。これからは、素晴らしい高専の教育を受けてきた学生の皆様、更に伸ばし、社会で必要とされる人材になっていただくために、両技科大が最適であることを伝えていきたいと考えています。

以上のような考えから、長岡技術科学大学と豊橋技術科学大学が協調して、「技術科学大学の良さ」を高専の皆様に伝えることを目指し、両技科大の高専連携室と広報部会が一緒になって、高専本科卒業予定者に向けたパンフレットを作る作業をしています。写真は6月1日に長岡技科大でパンフレットの打合せをしている様子です。このパンフレットを通して、高専から技科大に進学することで、社会から求められさらに世界中で活躍できる人材に育つことが出来ることをわかりやすく伝えたいと思っています。

両技術科学大学は、高専生にとって社会や世界に向けた"ハイウェイ"でありたいと願っています。

Chapter2環境・生命工学系の紹介
...工科系の大学で自然を科学する...

環境・生命工学系 系長
角田 範義(かくた のりよし)

化学、生物、電気、土木の分野を基礎とする、環境科学、触媒、ナノ・マイクロ科学、社会・安全システム科学、生命科学、分子合成化学に関する人材を配置して、「環境」と「生命」に密接に関連した工学分野の教育・研究を展開しています。
「未来環境工学コース」と「生命・物質工学コース」の2つのコースを設け、次世代を担う生命環境工学技術者の育成を行っています。

【未来環境工学コース】

自然生態システムの機能を理解し、環境負荷低減、資源エネルギー消費削減、生態系分析、維持、修復を実現できる先端環境技術・環境システム分野を開拓すると共に、安全・安心社会を構築し、社会の持続的発展に寄与する環境科学の素養を備えた人材の養成を目指しています。

【生命・物質工学コース】

2つの分野があります。
生命工学分野: ゲノム、脳科学、微生物の教育研究を基本として、他分野との融合研究や研究の先端化をはかり、社会の要請に基づき、生命工学分野を今後さらに充実していくことを目指しています。
分子機能化学分野: 無機、分析、有機の化学を基盤とした教育研究に加えて、他分野との融合研究や研究の先端化をはかり、社会の要請に基づき、ものづくりの基礎となる化学分野を今後さらに充実していくことを目指しています。

【研究室紹介】

■未来環境工学コース:田中三郎教授田中三郎教授

田中三郎・有吉研究室では磁気センサ研究開発とその応用研究を積極的に進めています。平成22年度に開始した愛知県による「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトの1つ"食の安心/安全技術開発プロジェクト"は研究室での大きなプロジェクトの1つです。愛知県は屈指の農業生産額を誇っており、また、県内の食品関連企業は700社を数え、食の安心・安全に関するプロジェクトは重要な位置づけとなっています。

研究室では2人の研究員を雇用し、大学院生のテーマとして研究が進められています。キーワードは液体窒素冷却で動作させる超高感度磁気センサ"SQUID"(スクイッド)です。これを検出器として用いて食品内の微小金属異物を超高感度で検出します。

開発中の装置外観
開発中の装置外観

また、金属以外の異物については同様にSQUIDを用いますが、これに病院でよく断層撮影に用いられるMRI(核磁気共鳴画像)技術を適用した新技術を開発しています。いずれも、産業界に近い技術開発ですが、基礎が大切で、学部での基礎学力をベースに大学院では新しい物理現象や超伝導技術の勉強をして日々、研究を進めています。今年度は最終年度に当たり、世界に通用するトップレベルの技術を盛り込んだ装置の開発を頑張っています。

■生命・物質工学コース、生命工学分野:浴俊彦教授浴俊彦教授

生物の持つ全ての遺伝情報はゲノムと呼ばれ、DNA(デオキシリボ核酸)という高分子の塩基配列に書き込まれています。ゲノムという共通のキーワードの登場によって、これまでは生物種ごとに分かれていた生命科学研究が統合され、新たな発見や技術が次々と生まれています。浴・広瀬研究室では、様々な生物のゲノム情報を利用した研究が行われています。例えば、高等生物のシグナル応答システムを利用した「遺伝子傷害性を検知する酵母」や「匂いを感じる酵母」、シアノバクテリアの光受容体を利用した「光を感じる大腸菌」を創る応用研究が行われています。また、線虫の「RNA干渉の分子メカニズム」の解明など生命現象の原理を探求する基礎研究も行われています(図)。線虫の「RNA干渉の分子メカニズム」の解明など生命現象の原理を探求する基礎研究も行われていますこれらの生命科学研究には、最先端の解析機器が必要不可欠です。豊橋技術科学大学には、ゲノムを解析するための次世代シークエンサーをはじめとする最先端の装置が配備されており、それらを活用することで、幅広い視野と知識を持つ環境生命工学技術者の育成が行われています。

■生命・物質工学コース、分子機能科学分野:齊戸美弘教授齊戸美弘教授

齊戸研究室では、分析化学の中でも特にクロマトグラフィーを中心とした新規高性能分離分析技術の開発ならびにその実用化について研究しています。高強度合成細繊維を応用した新規分離媒体の開発、針型デバイスを用いた新規高性能試料前処理技術の開発など、少人数の研究グループでありながらも国内外の学術会議に積極的に参加するとともに、国際的に広く認知される顕著な研究成果を発表してきています。(研究室HP: http://chrom.ens.tut.ac.jp

二次元抽出・分離システム
液相被覆型細繊維充填GCキャピラリーカラム

Chapter3健康支援センターの取り組み

副学長(機械工学系教授・健康支援センター長)
寺嶋 一彦(てらしま かずひこ)

140daigaku_ken0.jpg健康支援センターは、平成24年4月にでき、私は初代センター長を務めています。

私は、介護、リハビリ、生活支援、サービスロボットなどロボット制御の研究をしており、また年齢と共に、色々な体の不調も出てきており、健康・医療・福祉には大変関心を持っています。また、専門のシステム制御というのは、機械やモノの制御だけでなく、体や心の制御も研究範囲であり、そういう意味で大変意欲を持ち現在勤めております。私の役割は、健康支援の体制・組織つくりや、その運営、活動内容の仕組みなどマネジメントが中心で、実際の健康管理は、専門家の学校医、産業医、保健師、心理カウンセラー、インテーカーにお任せしています。その組織を表1に示します。健康支援センターでは、学生、教職員の食生活や体調、疾病管理から、心の管理にいたるまで、健康に関する支援をするセンターです。

健康支援センター組織図
表1 健康支援センター組織

最近は、学生の不登校、うつ病、悩みの相談などの問題が全国的に増加傾向にあり、本学でもメンタルヘルス対策に取り組んでいます。大学におけるメンタルヘルス対策には、大きく分けて一次予防、二次予防、三次予防の3つに分類できるかと思います。

一次予防とは、精神障害をはじめとするメンタルヘルス不調の発生を未然に防ぐための取り組みです。大学に共通して見受けられるストレスの原因を軽減し、メンタルヘルス不調の発生リスクの低減を試みたり、心身ともに働きやすい、学びやすい環境づくりを検討し、キャンパスライフの活性化を促す対策などです。専門家における健康支援講習会はもちろん、スポーツの指導や娯楽など心の安らぎの教育、くつろげる環境施設などの環境整備も含まれます。二次予防とは、病気を早期に発見し、迅速に適切な対応を取るための取り組みです。"病気の早期発見・早期対応"をキーワードとして、軽症の段階で心の不調のサインに気付き、適切な治療を受けることで、早く治すことが目的です。現在、本センターでは、教員、学生課就職・学生相談係と連携し、大学全体で取り組んでいます。またストレスチェックなども行い早期発見をする体制を今後整えていきます。三次予防とは、不本意な事故が生じたときの、本人や周りのケア、また、休学や休職後の復帰への支援等が代表的な例です。

これら一次・二次・三次予防の対策のため、今後も、組織の体制整備、最適なシステムやネットワークの構築等、体系化しバランスよく実施していきたく思います。体育館の横にある健康支援センターでは、疾病の治療、心の相談、また新たにB棟のB-206室に設置した部屋では、主にカウンセラーが心の相談をしています。学生も教職員もいつでも気軽にお越しください。またホームページには、学生、教職員共に、健康支援センターはじめ各種相談窓口への詳しい連絡方法が明示してありますので是非一度見てください。

『朝目が覚めたら、飛び起きて、すぐに大学に行きたくなる、そんな、明るく、元気で、楽しく、潤いのあるキャンパスライフが過ごせる知的でアカデミックな場』に、皆さんとともにしていきたく思います。


≪ホームページアクセスアドレス≫
・学生相談:https://www.tut.ac.jp/student/advice.html
・健康支援センター:http://www.health.tut.ac.jp/


それでは健康支援センターのメンバーからメッセージを述べて頂きます。

健康支援センターの取り組み■副センター長、産業医: 小島俊男 
健康の基本は、快食、快眠、快便です。日々の生活の中で実現を目指してください。

健康支援センターの取り組み■保健師: 河津美和
こんにちは。健康支援センターは保健室と同じ様な場所です。
学生・教職員の方々のケガや心身の相談だけでなく、学生さんでは初めての1人暮らしで生活・食事(栄養)面についてお話しすることも多いです。悩みだけでなく、楽しいこと、おもしろいこと、失敗したこと、残念な出来事など色々なお話を聞かせて下さいね。

健康支援センターの取り組み■学生相談コーディネーター: 原田一郎
学生相談コーディネーターの原田です。B-206の相談スタッフには私の他にも、受付窓口(何でも相談)の鈴木さんや3名のカウンセラーさんがいて、学生さんたちが相談に来てくれるのを待っています。どんなことでもいいから気軽に来てみて下さい。

■B-206室(学生相談室/保健室)

健康支援センターの取り組み
健康支援センターの取り組み
健康支援センターの取り組み

Chapter4学生課の業務について

学生課 学生係長
大石 哲也(おおいし てつや)

学生課は主に、学生支援、学生相談等に関する業務を行っています。

学生課の編成は学生係、生活支援係、就職・学生相談係による3係体制を取り、学生生活委員会、学生支援室と連携し、教務課、国際課及び関係各課等と情報を共有し業務を行っています。

以下に学生課の各係の業務について、主なものを記載します。

■学生係:学生生活全般に関すること

・学生生活関係証明書の発行
 学生証(ICカード)、学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)、通学証明書、学生団体旅行割引
・学生の車輌登録 通学時の原動機付自転車・バイク・自動車の登録
・学生の各種保険制度
 学生教育研究災害傷害保険(学研災)、学研災付帯賠償責任保険(学研賠)
 学研災付帯学生生活総合保険、学生・こども総合保険、スポーツ安全保健
・学生の福利厚生事業(食堂・喫茶室・売店・書店)の管理運営
・課外活動 課外活動団体に関すること、課外活動行事、課外活動施設管理
・学生の事故 交通事故、課外活動中の事故、正課中の事故、学校行事中の事故

福利施設
福利施設
学生宿舎
学生宿舎

■生活支援係:学生の生活支援に関すること

・入学料免除及び徴収猶予に関する業務
・授業料免除及び徴収猶予に関する業務
・奨学金等
 日本学生支援機構等の奨学金に関する業務、「卓越した技術科学者養成プログラム」(優秀学生支援制度)に関する業務
・学生宿舎等
 学生宿舎(全595室)の管理、下宿・アパート情報提供、アルバイト情報提供

2015年3月の学内合同企業説明会の様子
2015年3月の学内合同企業説明会の様子

■就職・学生相談係:就職及び学生相談に関すること

・学生相談窓口 学生相談(カウンセリング)、何でも相談窓口
・健康支援センター 健康相談、健康診断
・就職支援
 キャリアガイダンス開催、就職講座・学内企業説明会開催
 キャリア情報室による情報提供、キャリア相談、
 インターンシップ(課外)、求人票・掲示版閲覧システム

学生係 (5)窓口
内線:6553/6554/2051/2050
gakusei@office

生活支援係 (4)窓口
内線:6558/6559/2052
seikatsu@office

就職・学生相談係 (6)・(7)窓口
内線:6552/6556/6555
syusyoku@office

(アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください。)

最後に・・・。学生課一同、日々、業務を遂行しております!

Chapter5新聞で報道された豊橋技術科学大学(平成27年1月~平成27年6月)

平成27年1月から平成27年6月までに新聞に掲載された事項をまとめたものです。(広報部会調べ)

詳細はこちらをご覧ください。

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天伯の発行をメールにてお知らせします。

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