
同じ速さでも後ろから近づくと速く感じる ~ヒトの知覚特性を考慮したロボットの動作設計へ~
プレスリリース | 2026年9月30日
豊橋技術科学大学情報・知能工学系視覚行動研究室、視覚認知情報学研究室、認知神経工学研究室の研究チーム(代表者:田村秀希准教授)は、自律移動型ロボットなどの物体がヒトに近づく際、同じ速度であっても、後ろから近づく場合には正面から近づく場合よりもその接近速度が速く感じられることを明らかにしました。
実物の自律移動型ロボットやVR(仮想現実)環境を用いた計5つの実験を行った結果、全実験を通して92%の参加者で「正面からの接近よりも後方からの接近をより速く感じた」という知覚の偏りがみられました。そして、この現象はロボット特有の見た目やモーター音などが要因である可能性は低く、後方を振り返って接近してくる物体を見る際の視覚に依存した要因に由来することが示唆されました。さらに、この速度知覚の偏りをロボットの移動経路を決定するモデルに組み込み、ロボットが歩行者を後ろから追い越す場面をシミュレーションしました。
その結果、ヒトの知覚特性を考慮した場合には、従来のモデルよりも早い段階から歩行者との距離をより大きく保ちながら回避する軌道が生成されることが示唆されました。
本研究の成果は、2026年9月10日付でIEEE Robotics and Automation Letters誌に掲載されました。
https://doi.org/10.1109/LRA.2026.3732839



