
ヒトはどのように材質を見分けるのか?~VR実験により、材質識別を支える能動的な探索行動を解明~
プレスリリース | 2026年7月 3日
<概要>
豊橋技術科学大学情報・知能工学系認知神経工学研究室、視覚行動研究室、視覚認知情報学研究室の研究チーム(代表者:田村秀希准教授)は、ヒトが物体の材質を見分ける際に、頭を動かして視点を変えたり、物体を手で操作したりする探索行動をどのように使い分けているのかを、仮想現実(VR)環境を用いて心理物理学的に調査しました。参加者はヘッドマウントディスプレイを装着し、VR空間内の物体を自由に観察・操作しながら、その物体が金属に近いかガラスに近いかを判断しました。その結果、金属ともガラスとも判断しにくい曖昧な材質ほど、参加者は頭や手をより積極的に動かして観察することが分かりました。そして、そのような探索行動の違いは、材質をより正確に見分ける傾向とも関連していました。さらに、複数の物体を同時に比較できる場面では頭を動かして視点を変えることが多く、一つの物体だけを観察する場面では手で物体を操作することが多いなど、参加者は状況に応じて探索戦略を柔軟に切り替えていました。本研究は,ヒトの材質識別が,対象を「見る」だけでなく,頭や手を動かして必要な視覚情報を得るために、自ら「見に行く」過程によって支えられている可能性を示しました。
本研究の成果は、2026年6月8日付でJournal of Vision誌に掲載されました。https://doi.org/10.1167/jov.26.6.4



