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情報・知能工学系 中内茂樹教授が第9回産学官連携功労者表彰経済産業大臣賞を受賞しました。

受賞 | 2011年9月16日


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メガネ型色弱模擬フィルタ(バリアントール)

 

 

 

 

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ルーペ型色弱模擬フィルタ

(バリアントールパンケーキ)

 

 

 

 

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幼稚園内の配色チェックをする様子

 

 

 

中内茂樹教授(情報・知能工学系)の「カラーユニバーサルデザインのための色弱模擬フィルタの開発」に対して、産学官連携功労者表彰経済産業大臣賞を授与されることが決定しました。
 

産学官連携功労者表彰とは、大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果を収め、あるいは先導的な取組を行う等、産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し、その功績を称えることにより、我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的とし、平成15年度より行われているもので、今回が9回目となります。

 

9月22日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)

において開催される「第10回産学官連携推進会議」のプログラムのひとつとして、本賞の表彰式が執り行われます。

【受賞理由】
豊橋技術科学大学の中内教授は、高知工科大学の篠森教授、伊藤光学工業(株)と共同で、色弱者にとって混同しやすい色組合せを一般色覚者が体感・発見するための分光フィルタを設計・実現し、眼鏡型及びルーペ型のCUD(カラーユニバーサルデザイン)ツールとして世界に先駆けて製品化した。色弱者が感じている色見分けの不便さを一般色覚者が理解しにくいことがCUDの普及・推進にとって障壁となっていたが、本開発により、簡便にその場でリアリティーの高い色弱模擬体験が可能となった。企業や行政による印刷物、教科書、公共サイン、交通機関の表示等において、問題となる配色のチェックに使われるなど、幅広く利用されており、社会貢献度の高い産学連携活動として高く評価される。
 

【業績概要】
日本人男性の約5%を占める色弱(色覚異常)者は特定の色組合せの識別が困難です。こうした色覚特性の違いによらず、誰に対しても色の混同が生じない配色設計(カラーユニバーサルデザイン:CUD)は急務とされていますが、色弱者が感じているこうした不便さを正常色覚者が直観的に理解しにくいことがCUDの普及・推進にとって障壁となっていました。

本開発では、色覚を支える3種の錐体視細胞のうち一種が欠損した場合(2色覚)に生ずる知覚的な色の混同を一般色覚者が体感・発見するために、光学的な分光修飾により色弱特性を再現するフィルタを設計・実現し、眼鏡型およびルーペ型のCUDツールとして平成19年に世界に先駆けて製品化しました。

本開発により、場所を選ばずにリアリティーの高い色弱模擬体験が可能となり、リアルタイムに問題となる配色を見つけられるようになりました。現在では、民間企業や行政機関等における印刷物、公共サインや教科書等の配色チェック、CUD啓発セミナー等で広く利用されています。例えば、駅の時刻表や路線図の配色を色弱模擬フィルタを使って見直し変更する鉄道会社が増えています(阪急電鉄は平成22年3月のダイヤ改正に伴いデザインを一新)。また、パンフレットを事前点検するなど、公的な配布物を作成する機関での利用が増えています(三重県では県庁全部局・県民センター24カ所に導入)。さらに海外でも、フィンランド自然史博物館(ヘルシンキ)の展示サイン確認などの使用実績があります。

本成果は、色覚特性の多様性を体感し、問題となる配色への気づきを促進する世界初のツールとして画期的であり、CUDの普及・推進に大きく寄与しています。

なお、中内教授は、本業績により平成23年度文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しております。
 

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