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中村 祐二(なかむら ゆうじ)

所属 機械工学系
兼務 安全安心地域共創リサーチセンター
職名 教授
専門分野 燃焼学,火災物理科学,模型実験理論,宇宙工学
学位 博士(工学)(名古屋大学)
所属学会 日本燃焼学会,日本火災学会 ,日本実験力学会 ,日本マイクログラビティ応用学会,日本機械学会
E-mail yuji@me
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://www.me.tut.ac.jp/ece/
研究者情報リンク 研究者情報

研究紹介

燃焼問題のスケールモデリング,マイクロ燃焼学の創成,特殊空間での火災防護対策 など

テーマ1:燃焼問題のスケールモデリング

概要
図A 微小重力場での燃焼現象を相似則を用いて地上場で再現した例

模型実験とは実スケール・実環境での実験が難しいとき,同じ物理現象をラボスケール・別環境で再現することを指し,模型実験を実現するために必要な「相似則」を探すプロセス全体をスケールモデリングと呼ぶ.燃焼問題のうち大規模火災や特殊空間での火災は,特に実スケール・実環境での試験が難しいため,模型実験によりその現象の基礎を理解し,災害被害の予測などを行うことが望ましい.ここで課題になるのが「何を合わせれば異なる環境で同じ現象を再現可能になるか」という疑問であり,それに回答を与える相似則を見出すことこそが最大の難所であり,醍醐味でもある.
右図Aは燃焼問題にスケールモデリングを適用した一例であり,特に実験機会の少ない「微小重力(宇宙)での燃焼場」を低圧場の利用,小型化により再現できることを示したものである.このようにスケールモデリングを活用することで,極限状態の燃焼場の物理過程へアクセスすることが可能である.

主な業績

【受賞など】
ISCM Young Investigator Award, ISCM, "Recognition of early contribution in scale modeling research and encourage his continuing contributions to scale modeling research and future leadership" (2009.9)
日本燃焼学会奨励賞「極限環境における火災基礎研究」(2008.12)
日本マイクログラビティ応用学会奨励賞「低圧火災をはじめとした燃焼挙動の諸因子の影響に関する一連の研究」(2008.11)
【招待・依頼講演(一部)】
慶應義塾大学理工学研究科「反応システムと環境」 特別講義(横浜),講師,「宇宙燃焼実験のワナと教訓」(2012.1)
Worcester Polytechnic Institute (Department of Fire Protection Engineering), Invited Seminar (USA) "Electric Cable Fires: Ongoing Research on Small-Scale Flame Spread Tests" (2010.11)
第51回北大祭 公開講義(2009.6)「宇宙防災研究の最前線 ~宇宙火災を地上場で模擬するための「あの手・この手」~」
【その他,特記事項】
Progress in Scale Modeling Vol.2, Associate Editor(2013.9)
Progress in Scale Modeling, Editorial Board (Combustion Section)(2007.6)
第6回スケールモデリング国際会議 大会委員長(chair)(2009.9)
日本実験力学会 スケールモデリング分科会 幹事(2012年度-現在)
日本実験力学会「実験力学」2013年6月特集号(スケールモデリング:模型実験を可能にするアプローチ) 編集小委員会委員(幹事)(2013.6)

キーワード

スケールモデリング,模型実験理論,相似則

テーマ2:マイクロ燃焼学の創成

概要
図B 炎のスケール効果:マイクロスケールの炎の特徴

大きな拡散炎は煤が大量に発生し,火炎は浮力の影響を強く受けて激しく乱れる.ところがスケールを小さくしてゆくとその特徴は一変する.すなわち,炎は青色を呈して火炎形状は半球状となる.あたかも煤フリーで浮力を感じない炎になったともいえよう.この炎のことをマイクロフレームと呼ぶ.
火炎サイズが小さくなるとバーナと火炎との相互作用が強くなり,バーナを介した熱循環により通常のサイズの炎では見られない安定性を与えるようになる.ではさらにスケールを下げると火炎が消える前に何が起こるのか?最も小さな燃焼スケールが何で決まるのか?これらを「マイクロ燃焼学」という範疇で取り扱ってゆく.

主な業績

【受賞など】
エディテージ賞(奨励賞),第11回リバネス研究費「バーナ火炎のスケールダウンに伴う「超」安定化機構の解明:限界付近での超過エンタルピー燃焼実現の可能性」(2012.8)
技術賞,精密工学会北海道支部「マイクロフレーム発電機の実用化試験」(小畑・福富・中村)(2009.9)
技術賞,精密工学会北海道支部「熱電発電によるマイクロフレーム発電機」(小畑・福富・中村)(2008.9)
技術賞,精密工学会北海道支部「熱電発電のためのマイクロフレーム用バーナーの開発」(小畑・福富・中村)(2007.8)
【招待講演(一部)】
公益財団法人科学技術交流財団 マイクロフレームアレイ研究会(招待講演,春日井)(2014.2)「バーナ拡散火炎の小型化への挑戦」
Chinese Academy of Science, Guangzhou Institute of Energy Conversion, Invited Seminar (China)(2013.10) "Key issue to achieve the self-sustained micro-combustion: Do we really have "flames" in micro-scale?"
The 7th Nagoya University-UCLA International Symposium (Hokkaido University and Nagoya University Global COE Joint Symposium), Invited Talk (Sapporo) (2012.9), "Concept of Self-sustained Micro-combustion: Do we have "flames" in micro-scale?"
公益財団法人科学技術交流財団 マイクロフレームアレイ研究会(招待講演,名古屋)(2012.8)「マイクロフレームの構造と特徴」
ICFD2010(東北大GCOE)招待講演,仙台(2010.11)"Microflame; As a Model of Droplet/Spray Combustion"
名古屋大学大学院マイクロ・ナノシステム工学専攻 特別講義(名古屋),講師,「マイクロスケールの燃焼学:究極の燃焼制御に向けて 」(2012.1)

キーワード

マイクロフレーム,熱循環,安定化機構

テーマ3:極限環境における火災防護対策

概要
図C ポリマーを加熱した際の溶融ならびに落下過程の直接数値シミュレーションの一例

宇宙や原子力施設はいわゆる特殊環境であり,そのような場での火災は直ちに人的被害,被害の影響インパクトが大きい.従って,火災などが起きないような設計思想の導入が不可欠である.上記のスケールモデリングはそれを補助する役目を果たすが,もう一方で,例えばスケールモデリングで対応しきれない(=簡略化しづらい)複雑な物理が絡む場合は,それに直接対峙することが求められる.
図Cはその一例で,原子力規制庁(旧 JNES)からの受託研究,科学研究費補助金の支援を得て実践された電線燃焼の直接数値シミュレーションモデリングである.電線は導体と絶縁体とで構成されるが絶縁体に高分子が使われており,それが発火して火災の要因となる(上記の原子力施設,宇宙環境などでは電線火災が火災原因として大きな要素を占める).一旦燃焼すると高分子が溶融して落下して,火災源を3次元的に拡大させる.ここでの数値モデリングは,この溶融および落下の非定常過程を捉えるためにenthalpy-porosity法とVOF法にもとづき開発されたものである.現在は表面からのガス化過程,気相での燃焼モデルを導入して,電線燃焼をそのまま再現するよう鋭意開発中である.
このような数値モデル開発に加え,様々な特殊火災要素の実験的研究(例えばアーク放電による火災発生機構の解明,宇宙船内へ適用可能な新しい消火概念の創出など)も実施している.

主な業績

【受賞など】
平成23年度消防防災科学論文優秀賞,総務省消防庁「電線延焼現象に対する理論予測法の提案」(中村・東谷・巖上)(2011.10)
Excellent Poster Award (International Mohri Poster Award), The 8th Japan-China-Korea Workshop Microgravity Sciences for Asian Microgravity Pre-Symposium, 「Novel Approach of Space Fire Research: Utilizing Low Pressure to Simulate Flame Spreading in Reduced Gravity」(指導学生の巖上が受賞) (2010.9)
【その他,特記事項】
日本マイクログラビティ応用学会 理事(2014年度-現在)
一般社団法人原子力安全推進協会(JANSI)原子力発電所のケーブル・電気盤火災実証試験に関する評価委員会 主査(2013年度)
日本火災学会 学術委員会 原子力発電所の火災防護専門委員会 委員(2013.11-現在)
NHK クローズアップ現代「“世界最高”の安全は実現できるのか」 ケーブル燃焼実験監修
日本燃焼学会奨励賞 受賞記念講演(招待講演,東京)(2009.5)「極限環境における火災基礎研究」
日本マイクログラビティ学会奨励賞 受賞記念講演(招待講演,京都)(2008.11)「微小重力研究の意義と価値 ~全ては「微小重力実験の前」で決まる~」
Worcester Polytechnic Institute (Department of Fire Protection Engineering), Invited Seminar (USA) (2010.11) "Electric Cable Fires: Ongoing Research on Small-Scale Flame Spread Tests
日本機械学会RC-D9:次世代流体解析ソフトウェアの高機能化と産業界への普及展開に関する研究分科会(依頼講演,札幌)(2011.10)「加熱されるポリマーの溶融・落下過程を考慮した非定常数値シミュレーション」

キーワード

直接数値シミュレーション,実火災のモデリング

担当授業科目名(科目コード)

エネルギー工学特論(大学院),燃焼学特論(大学院),燃焼工学(学部4年),CADCAECAM演習(学部3年),機械工学実験(学部3年)

その他(受賞、学会役員等)

【学会役員等】
Progress in Scale Modeling, Editorial Board (Combustion Section)(2007.6)
6th International Symposium on Scale Modeling (ISSM-6), Hawaii, Chair(2009.9)
Fire Technology, Editorial Board (2013.8-)
Progress in Scale Modeling Vol.2, Associate Editor(2013.9)
Fire Technology, Associate Editor (2014.2-)
Advanced Fossil Fuel Technologies (Frontiers in Energy Research), Editorial Board (2014.10-)
The Japan Society of Microgravity Application, Board of Trustees (2014.4-)

【主な受賞歴】
日本機械学会奨励賞(研究)「固体物質の自発着火に与える重力の影響に関する研究」(2002.4)
論文賞,日本エネルギー学会「対向流拡散火炎を用いた輝炎の局所放射特性に関する分光学的検討」(中村・高橋・鎌田・平沢)(2008.8)
日本マイクログラビティ応用学会奨励賞「低圧火災をはじめとした燃焼挙動の諸因子の影響に関する一連の研究」(2008.11)
日本燃焼学会奨励賞「極限環境における火災基礎研究」(2008.12)
ISCM Young Investigator Award, ISCM, "Recognition of early contribution in scale modeling research and encourage his continuing contributions to scale modeling research and future leadership" (2009.9)
平成23年度消防防災科学論文優秀賞,総務省消防庁「電線延焼現象に対する理論予測法の提案」(中村・東谷・巖上)(2011.10)
鉄鋼技術賞,公益財団法人鉄鋼環境基金(第3回(2012年度)助成研究成果表彰)「低公害型(低NOx・低PM)の超希薄燃焼場に対する診断方法の確立」(2012.6)
エディテージ賞(奨励賞),第11回リバネス研究費「バーナ火炎のスケールダウンに伴う「超」安定化機構の解明:限界付近での超過エンタルピー燃焼実現の可能性」(2012.8)
他 10 件以上

【主な招待講演】
Purdue University, Prof. J. Gore's Laboratory at School of Engineering, Invited Seminar (USA)(2001.7)"Enclosure Effect on Flame Spread over Solid Fuels in Microgravity"
Building Fire Research Lab, The National Institute of Standards and Technology, Invited Seminar (USA)(2008.8) "Fundamental Aspects of Acetone-OH Simultaneous PLIF Technique: Application to Diagnostics of Ultra-Lean Combustion"
日本マイクログラビティ学会奨励賞 受賞記念講演(招待講演,京都)(2008.11)「微小重力研究の意義と価値 ~全ては「微小重力実験の前」で決まる~」
日本燃焼学会奨励賞 受賞記念講演(招待講演,東京)(2009.5)「極限環境における火災基礎研究」
ICFD2010 (GCOE, Tohoku Univ.) Invited Speaker, Sendai (2010.11) "Microflame; As a Model of Droplet/Spray Combustion"
Worcester Polytechnic Institute (Department of Fire Protection Engineering), Invited Seminar (USA) (2010.11) "Electric Cable Fires: Ongoing Research on Small-Scale Flame Spread Tests"
日本機械学会RC-D9:次世代流体解析ソフトウェアの高機能化と産業界への普及展開に関する研究分科会(依頼講演,札幌)(2011.10)「加熱されるポリマーの溶融・落下過程を考慮した非定常数値シミュレーション」
公益財団法人科学技術交流財団 マイクロフレームアレイ研究会(招待講演,名古屋)(2012.8)「マイクロフレームの構造と特徴」
The 7th Nagoya University-UCLA International Symposium (Hokkaido University and Nagoya University Global COE Joint Symposium), Invited Speaker, Sapporo (2012.9), "Concept of Self-sustained Micro-combustion: Do we have "flames" in micro-scale?"
公益財団法人科学技術交流財団 マイクロフレームアレイ研究会(招待講演,春日井)(2014.2)「バーナ拡散火炎の小型化への挑戦」
ICFD2014 Invited Speaker, Sendai (2014.10) "Behavior of the Polymeric Material subjected to the Fire: Direct Numerical Simulation of Melting and Deforming Processes of Degrading Polymeric Material"
公益財団法人日本機械学会「内燃機関を改良する継続的技術力に関する研究会」(招待講演,名古屋)(2015.1)「噴流火炎の小型化に伴う自律的超過エンタルピー燃焼の可能性」
University of Maryland, Collage Park (Department of Fire Protection Engineering), Invited Talk (USA) (2015.3) "Scale modeling of flames: from microgravity to micro-flames"
ICFD2015 Invited Speaker, Sendai (2015.10) "How Well We Can Predict the Occurance of Large Fire Whirl through Scale Model Experiment?"
ICFD2016 Invited Speaker, Sendai (2016.10) "Combustion Modeling of Melting/Burning Thermoplastic Material"
International Workshop in Micro Power and Energy System, Invited Speaker, Guangzhou, China, (2016.10), 「Recent Progress in Non-premixed Micro-jet Flames」

【主な外部資金歴】
科学研究費補助金 奨励研究(A)「地上場における球状火炎の模擬」 (1999~2000) 1,300 千円
科学研究費補助金 若手研究(B)「電子機器火災の発生および延焼メカニズムの解明」(2005~2007) 3,600 千円
財団法人日本宇宙フォーラム第9回公募地上研究(宇宙利用先駆研究)「低圧閉鎖空間における火災物理機構の解明」(2006~2008) 2,858 千円
科学研究費補助金 若手研究(B)「低圧閉鎖環境における火災被害の予測とその物理機構の解明」(2007~2009) 3,400 千円
財団法人東電記念科学技術研究所 H20年度研究助成(基礎研究)「アセトンOH同時PLIF法に基づく超希薄燃焼状態の診断手法の確立」(2008~2009) 10,000 千円
科学研究費補助金 若手研究(A)「電線燃焼における定常・非定常性をわける理論の構築と検証」(2009~2011) 25,870 千円
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「変則十字火炎による超高温燃焼の実現と非平衡燃焼学の開拓」(2009~2010) 3,200 千円
独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)「平成21~22年度火災時電気設備に関わる燃焼モデル整備」(2009~2010)(委託研究) 23,988,550 円
独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)「平成23年度火災時電気設備に関わる燃焼モデル整備」(2011年度)(委託研究) 17,105,183 円
独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)「平成24-25年度火災時電気設備に関わる燃焼モデル整備」(2012-2013年度)(委託研究) 28,000 千円
JAXA-AO(重点課題)JEM利用3期重点化テーマ「火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価」 Co-Investigator (Leader of Gr.4) (2013年度-2017年度) 32,000 千円(5ヶ年分)
科学研究費補助金 基盤研究(B)(一般)「小型拡散火炎の「超」安定機構:小型化に伴う超過エンタルピー燃焼の実証」(2014~2016) 15,310 千円
公益財団法人JKA 平成26年度 自転車等機械工業振興振興事業に関する補助事業「平成26年巨大火災旋風の野外実験に関する補助事業」(2014年度~2015年度) 6,000 千円
原子力規制委員会 平成26年度原子力施設等防災対策等委託費事業「火災時電気設備に関わる燃焼モデル整備」(2014年度) 7,331,937 円
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「火災旋風の学理:渦構造解明と安定性理論の体系化に向けて」(2015~2016) 3,770 千円
原子力規制委員会 平成27年度原子力施設等防災対策等委託費事業「火災時電気設備に関わる燃焼モデル整備」(2015年度) 14,985,875 円
科学研究費補助金 平成27年度国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)「小型拡散火炎の「超」安定機構:小型化に伴う超過エンタルピー燃焼の実証」(2018-2019: 予定) 10,600,000 円
科学研究費補助金 基盤研究(B)(一般)「溶融・流動を伴うプラスチック燃焼ダイナミクスモデルの高次元化とその検証」(2017~2019) 17,940,000 円


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