研究テーマ（シーズ1）
超小型火炎を用いた機能性燃焼デバイスの開発

小型火炎（マイクロフレーム）とは１ｍｍ以下のバーナ上に形成されるミリオーダの火炎であり，通常は煤を排出する炭素成分を多く含む燃料でも煤を排出することがなく青炎を保つ．バーナとの熱・化学作用が顕著になるため，バーナを工夫することで（バーナを利用した熱循環作用を利用するなど）極低温火炎の生成や消炎を回避した安定燃焼限界の拡大が期待できる．
この小型火炎を配列することで，互いの干渉を避ける工夫をすれば，量子的な加熱源を配列することに相当する．これにより，これまでにない機能性を持ち合わせた燃焼器開発が可能となる．例えば原理的には１つの火炎毎に制御ができるため，流量増減，on/offを個別に行えば自由自在な加熱分布を作り出すことが可能である．また均一な加熱が可能であることも特徴的である．

Microflame technology

Predicted unique structure of buener-stabilized H2-air microflame

主要な研究設備等

マイクロバーナ，微細流量制御装置

基本となる特許・解説記事・研究論文等

【特許】
平沢太郎，中村祐二，"燃焼器及び当該燃焼器を用いた発電装置"，特開2009-192213（2009-08-27）：　特願2009-007971 (2009年1月16日出願) （優先権の基礎となる出願：特願2008-007593、出願日：2008年1月17日）.
【解説論文など】
中村祐二，"火炎構造から探るマイクロ燃焼の特徴とこれから", 日本燃焼学会誌（連載講座），Vol.55, No.171 (2013), pp.44-56.
中村祐二，増田裕機，平沢太郎，"マイクロフレーム（極小拡散火炎）を特徴つける長さスケールに関する一考", 高温学会誌, Vol.36, No.5 (2010), pp.207-213.
中村祐二，平沢太郎，"マイクロ火炎のアレイ化技術による小型・量子制御加熱デバイス", 『再生可能エネルギーのすべて』―太陽光，風力，水力，地熱，バイオマス，未利用エネルギー―（『電子材料』2010年7月号別冊）, (株)工業調査会，pp.155-163, (2010).
中村祐二，"マイクロフレームの特徴とその安定性", 日本燃焼学会誌，Vol.45, No.134 (2003)，pp. 212-220.
中村祐二，斉藤孝三，"マイクロフレームに形成される熱と流れ場"，ながれ，Vol.20 (2001)，pp.74-82.
【投稿論文（代表的なもののみ抜粋）】
Hossain, A., and Nakamura, Y., "Thermal and Chemical Structures formed in the Micro Burner of Miniaturized Hydrogen-air Jet Flames", Proc. Combust. Inst., Vol.35 issue 3 (2015.1), pp.3413-3420.
Hirasawa, T., Sumi, M., and Nakamura, Y., "Effect of Burner Size and Material on Extinction of Methane Diffusion Microflame", Journal of the Japanese Society for Experimental Mechanics (2013 Special Issue), Vol.13 (2013), pp.s75-s79.
Fujiwara, K., and Nakamura, Y., "Experimental Study on the Unique Stability Mechanism via Miniaturization of Jet Diffusion Flames (Microflame) by utilizing Preheated Air System", Combustion and Flame, Vol.160, Issue 8 (2013), pp.1373-1380.
桑名一徳，平沢太郎，中村祐二，"噴流拡散マイクロフレームの干渉に関する理論的考察"，日本燃焼学会誌，Vol.54, No.170 (2012), pp.279-284．
Hirasawa, T., Gotanda, K., Masuda, H., and Nakamura, Y., "Impact of Flame-Flame Interaction in Identical Two Non-premixed Microflames", Combustion Science and Technology, Vol.184, Issue 10-11 (2012), pp.1651-1663
中村祐二，窪田充志，山下博史，斎藤孝三，"マイクロフレームの火炎構造に関する数値解析－火炎小型化に向けた可能性の追求－"，日本機械学会論文集（B編）, Vol.74, No.739 (2008), pp.699-706.
Nakamura, Y., Yamashita, H., and Saito, K., "A Numerical Study on Extinction Behaviour of Laminar Micro-Diffusion Flames", Combustion Theory and Modelling, Vol.10, No.6 (2006), pp.927-938.

実施可能な共同研究の形態

共同研究，共同開発

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