豊橋技術科学大学

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柴田 隆行(しばた たかゆき)

所属 機械工学系
兼務 ダイバーシティ推進センター
次世代半導体・センサ科学研究所
職名 教授
専門分野 マイクロ・ナノマシニング / MEMS・NEMS(マイクロ・ナノ電気機械システム)/ ラボオンチップ(LOC)
学位 博士(工学) (北海道大学)
所属学会 精密工学会 / 日本機械学会 / 電気学会 / 表面技術協会 / ライフサポート学会 / ニューダイヤモンドフォーラム
E-mail shibata@me
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://mems.me.tut.ac.jp/
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

独創的・先進的な高付加価値製品を創出する次世代のマイクロ・ナノ構造創成技術に関する基礎研究と革新的な新機能を有するミクロな世界で活躍するマイクロ・ナノ電子機械システム(Micro/Nano Electro Mechanical System, MEMS/NEMS)に関する種々のデバイス開発を行っている.研究テーマに共通するコンセプトは,"MEMS技術を究めナノテクとバイオへの架け橋を築く"ことである.

テーマ1:マイクロ流体チップテクノロジーを応用した革新的遺伝子検査技術の開発

概要
マルチプレックス遺伝子診断デバイス

次のパンデミックへの備えとして、ウイルス感染症から人々の命と健康を守り、安全・安心な暮らしを支えるためには、多検体・多項目の遺伝子検査を簡便かつ迅速に行える技術の確立が喫緊の課題となっている。さらに、食の安全・衛生を守るための食物アレルギー物質や食中毒検査、食料の安定供給を高度に支援するための農作物の病害虫検査など、遺伝子検査に対するニーズは多岐に渡って拡大している。このような背景のもと、マイクロ流体チップテクノロジーを応用した革新的な遺伝子検査プラットフォームの開発を行っている。具体的には、(1)標的遺伝子の多検体・多項目同時検査を可能とするマルチプレックス遺伝子診断デバイス、(2)標的遺伝子を確実に検出するための多段階サンプル希釈機能を有する診断デバイス、(3)標的遺伝子の絶対定量を実現するためのデジタルLAMPデバイス、(4)前処理工程を自動化するための核酸抽出デバイスなどの開発を行っている。

主な業績

Akira Miyajima, Fumiya Nishimura, Daigo Natsuhara, Yuka Kiba, Shunya Okamoto, Moeto Nagai, Tadashi Yamamuro, Masashi Kitamura, and Takayuki Shibata, Parallel dilution microfluidic device for enabling logarithmic concentration generation in molecular diagnostics, Lab on a Chip, Vol.25, No.13 (2025) pp.3242-3253. DOI: 10.1039/D5LC00356C.
Daigo Natsuhara, Ryogo Saito, Hiroka Aonuma, Tatsuya Sakurai, Shunya Okamoto, Moeto Nagai, Hirotaka Kanuka, and Takayuki Shibata, A method of sequential liquid dispensing for the multiplexed genetic diagnosis of viral infections in a microfluidic device, Lab on a Chip, Vol.21, No.24 (2021) pp.4779-4790. DOI: 10.1039/D1LC00829C.

キーワード

遺伝子検査、多項目同時遺伝子検査、核酸自動抽出、ポイント・オブ・ケア検査、LAMP法、ウイルス感染症、食物アレルギー物質、食中毒病原体、農作物病害虫、有毒植物、違法薬物、マイクロ流体デバイス、マイクロ流路、ラボオンチップ(LOC)、マイクロ化学分析システム(µTAS)

テーマ2:超並列オンチップ細胞機能解析システム(Cellular MEMS)

概要
超並列オンチップ細胞機能解析用MEMSデバイス

生命現象の統合的理解と制御を行うために,単一細胞レベルの超並列操作や細胞の機能解析・制御を行うための種々のMEMSデバイスの実現を目指している.具体的には,(1)細胞への生体分子(DNA,タンパク質など)の注入や細胞内で発現した極微量な生体分子の採取を超並列に処理可能とする細胞穿刺用ナノニードルアレイ,(2)細胞を3次元空間に高精度に配置制御するための細胞操作用マイクロマニピュレータアレイ,(3)ナノメートルオーダの微小な機械的振動刺激を細胞に与えることで細胞の機能発現制御を行う圧電駆動型マイクロ細胞培養デバイス,(4)完全非接触で細胞の動的形態変化を可視化するダメージレス高速形態イメージングなどの研究を行っている.

主な業績

Takayuki Shibata, Tatsuya Ozawa, Yasuharu Ito, Keita Yamamoto, and Moeto Nagai, Minimally Invasive Intracellular Delivery Based on Electrokinetic Forces Combined with Vibration-Assisted Cell Membrane Perforation, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.56, No.1 (2017) 017001. DOI: 10.7567/JJAP.56.017001.
Takahiro Kawashima, Takahiro Sakai, Norihisa Kato, Takayuki Shibata, Mitsuyoshi Nomura, Takashi Mineta, and Eiji Makino, Characterization and Insertion Performance of Hollow Microneedle Array for Cell Surgery, Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS, Vol.8, No.3 (2009) 033014. DOI: 10.1117/1.3206971

キーワード

細胞機能解析,セローム解析,細胞操作,セルパターニング,細胞機能制御,オンチップ細胞サージェリー,細胞内デリバリー,細胞パターン培養,細胞処理システム,BioMEMS

テーマ3:多機能走査型バイオプローブ顕微鏡 (Bioprobe)

概要
多機能走査型バイオプローブ顕微鏡

細胞の機能発現過程における様々な生体機能情報(物理量・化学量)を複数同時に可視化(細胞機能イメージング)することで,空間的・時間的相関計測の実現を目指している.具体的には,従来の原子間力顕微鏡(AFM)のもつ多彩な機能(形状計測・物性評価)に加え,単一細胞への生体分子の注入や細胞内で発現した微量なタンパク質などを高精度に採取する機能や,完全非接触での細胞のダメージレス形態イメージング(SICM)ならびに生体分子の細胞内ダイナミクス観察を可能とするチップ増強ラマン散乱イメージング(TERS)を同時に実現する多機能走査型バイオプローブ顕微鏡の研究を行っている.

主な業績

Takayuki Shibata, Hiromi Furukawa, Yasuharu Ito, Masahiro Nagahama, Terutake Hayashi, Miho Ishii-Teshima, and Moeto Nagai, Photocatalytic Nanofabrication and Intracellular Raman Imaging of Living Cells with Functionalized AFM Probes, Micromachines, Vol.11, No.5 (2020) 495. DOI: 10.3390/mi11050495.
Takayuki Shibata, Kenji Nakamura, Shuhei Horiike, Moeto Nagai, Takahiro Kawashima, Takashi Mineta, and Eiji Makino, Fabrication and Characterization of Bioprobe Integrated with Hollow Nanoneedle for Novel AFM Applications in Cellular Function Analysis, Microelectronic Engineering, Vol.111 (2013) pp.325-331. DOI: 10.1016/j.mee.2013.02.051.

キーワード

バイオ機能イメージング,原子間力顕微鏡(AFM),ナノニードル,細胞機能解析,細胞操作,細胞内デリバリー,表面増強ラマン散乱(SERS),バイオMEMS

担当授業科目名(科目コード)

機械要素 (B11530180) / 生産加工学 (B11620090) / 精密加工学 (B11621030) / マイクロ加工学特論 (M21621140) / 加工デザイン特論 (D31030020)


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