市川 周一(いちかわ しゅういち)
所属 | 電気・電子情報工学系 |
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職名 | 教授 |
専門分野 | 計算機科学 / 計算機アーキテクチャ / 並列処理 |
学位 | 理学博士(東京大学) |
所属学会 | IEEE / ACM / 電気学会 / 電子情報通信学会 / 情報処理学会 |
ichikawa@ ※アドレスの末尾に「tut.jp」を補完してください |
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研究室web | http://www.ccs.ee.tut.ac.jp/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
本研究室ではソフトウェアからハードウェアまで広い範囲を扱っています.テーマ間の関係が見えにくいかもしれませんが,簡単に言えば「高速に処理すること」が本研究室の一貫したテーマです.ソフトウェア系のテーマとしては並列・分散処理によって処理を高速化する手法を研究し,ハードウェア系のテーマでは専用回路によって処理を高速化する研究を行っています.
(1) 再構成可能論理回路と専用回路
FPGA (Field Programmable Gate Array)は,論理回路を何度でも書き換えることのできるLSIです.ハードウェア記述言語 (HDL)で設計を記述し,CADソフトウェアで回路を生成して,FPGAボードで性能を評価しています.特に応用に特化したハードウェア(専用回路)で応用を高速化する研究をしています.
(2) 並列処理応用の最適化
組合せ最適化手法を使って並列・分散処理の最適化を行う研究を行っています.
(3) 電子透かし・情報隠蔽・セキュリティに関する研究
データ構造やプログラムに情報を埋め込む方法,ソフトウェアの盗用を防ぐ方法などを研究しています.
テーマ1:再構成可能論理による専用計算回路
概要
再構成可能論理回路は,論理構成を実行時に任意に変更できる“柔らかいハードウェア”です.この一種であるFPGA (Field Programmable Gate Array)は,昨今では産業界で広く用いられています.FPGAを使うと専用LSIを極めて容易に単品生産することができるため,これまでソフトウェアで行っていた計算処理を,専用ハードウェアで安価に高速化できるようになります.
本研究室では,学術的な計算応用から実用的な制御応用まで,幅広い応用分野について専用回路を設計・実装・評価してきました.ソフトウェア処理をハードウェア化するだけでなく,入力データの一部までハードウェアにして小型・高速化する「特殊化技術」についても研究しています.
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テーマ2:不均一な並列処理環境のための負荷分散手法
概要
昨今,複数の市販パーソナルコンピュータ(PC)をネットワークで接続したもの(PCクラスタ)が,スーパーコンピュータの代替品として普及しつつあります.しかし通常のPCクラスタでは,要素PCの構成をすべて同一にしなければ最高性能が発揮できない等の問題が残されています.
本研究室では,様々なPCからなるクラスタ(不均一クラスタ)から自動的に最高性能を引き出す研究に取り組んでいます.この技術が実用化されれば,PCクラスタの逐次的増強や改良が可能になるなど,コスト・性能・運用の各面で多くのメリットが得られます.
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テーマ3:情報セキュリティの研究
概要
データの表現方法に含まれる自由度に着目して,データやプログラムに情報を埋め込む手法について研究しています.たとえば,CGやゲームで利用される立体モデルに情報(電子透かし)を埋め込むことによって,著作者の権利保護や,第三者による改変の検出に役立てることができます.
また,再構成可能論理技術をセキュリティ分野に応用して,ハードウェア多様化による安全性向上についても研究しています.システムの多様化によって,ウイルスやワームなどの被害を抑止することが期待できます.
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担当授業科目名(科目コード)
組込システム(B12620230)
数値解析(B12610100)
基礎論理回路(B12620020)
ディジタルシステム論(M22624060)
Advanced Electronic Information System(M42630080)
計算機システム工学特論2(D03320920)
先端情報通信システム特論II(D32030080)
計算機システム工学特論(D33030010)