科学技術コーディネータとは:科学技術コーディネータは、文部科学省が「産学官連携活動高度化促進事業」に基づいて各大学に配置した産学官連携コーディネータで、全国に約90名います。各大学に配置されたコーディネータは技術相談、共同研究、特許出願、技術移転、地域連携などの仕事を行いますが、この産学官連携コーディネータを、本学では学内規定により科学技術コーディネータと呼称しています。ちなみに、本学が外部機関にお願いしているコーディネータが12名いますが、この方たちを産学連携コーディネータと呼んでいます。
コーディネータの仕事:科学技術コーディネータは大学の技術相談窓口を担当しています。豊橋技術科学大学に寄せられる技術相談は、年々増加傾向にあり(図1)、昨年度は165件に達しました。相談に来た企業の所在地を分類すると、図2に示すように本学が位置する東三河を中心に分布していることが分かります。技術相談の内容は千差万別です。相談企業の大は日本を代表するトップ企業から、小は個人まで、技術分野は、いわゆるハイテクからローテクまで、バイオケミストリー、電気・電子、エコロジー、土木建築など分野を問いません。相談内容もさまざまで、例えば、生産技術上の課題とか品質保証上のトラブルを解決したい、新製品を開発中であるがここを何とかならないか、このような技術の現状と今後を知りたいなど。中には、“宇宙人の遺跡を見つけたが関心はないか”などという相談まである。科学技術コーディネータは、どのような技術相談にも誠心誠意対応し、門前払いをすることはないが、このような案件については、話だけ伺ってお引取り願うしかない。
技術相談は1回の面談で終わることもあるが、多くは2回、3回とフォローアップすることが多い。また先生に実験等をお願いしなければ解決しないケースも当然出てくるので、このような場合は共同研究に格上げしてもらうことにしている。共同研究等に至るケースは、年間を通じると10件以上になる。
技術相談の出世頭: 図3は、2年半前に技術相談として大学に持ち込まれ、本学の先生を紹介したところからスタートした、D社(豊橋市)の鉄筋コンクリート工法で用いられる新しい定着金物「DBヘッド」である。
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