2018.08No.146(オンラインNo.28)

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Chapter1因縁のロボコン対決 ~ 2 2 秒からの追撃~

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 今年こそは絶対に優勝したいと意気込む" とよはし☆ロボコンズ" は、過去最多優勝を誇っており、強豪チームと全国に名を馳せている本学のロボコン同好会のチームである。
 今回のNHK学生ロボコン2018の競技は、ベトナム北部に伝わる伝統行事「ネムコン(シャトルコック・スローイング)」からコンセプトを得ている。
 各チームは2 種類のロボットとシャトルコックを自作する。シャトルコックをキャリーイングロボットがスローイングロボットに受け渡し、スローイングロボットがリングに向かって投げ飛ばす。ノーマルリングを2回クリアすると、ゴールデンリングにゴールデンシャトルコックを投げることができる。ゴールデンリングを見事通り抜け、ゴールデンカップにのったら「ロンバイ」達成で勝利となる。
 今回のとよはし☆ロボコンズは、シャトルコックを拾うキャリーイングロボットが、いかに速くスローイングロボットにシャトルを渡せるかを重点に考えてきた。2台のロボットがスピードを殺さないように、走りながらハイタッチをするイメージだそうだ。さらに、シャトルを受け取る向きによって、スローイングロボットがスムーズにシャトルを投げられるようにと、投げ方も厳選された2種類を考案した。「投石機構」と「直動機構」だ。これらの武器を手に、いざ予選に向かう。
 予選のFグループは本学、富山大学、新潟大学。
 とよはし☆ロボコンズの初戦は新潟大学との戦い。新潟大学は強いと事前に聞いていたので大事な戦いだ。「3・2・1・GO」でスタートしたが、素人には何が起きているのか分からないくらいの速さ。たった22秒、ロンバイ達成で勝利。次の富山大学には相手に1点も与えることなく、22秒でロンバイ達成。キャリーイングロボットとスローイングロボットの受け渡しもスムーズで作戦どおり。みごと予選リーグ2位の
成績で決勝リーグ進出となった。
 この時点でとよはし☆ロボコンズの最速タイムは22秒。予選1位で決勝リーグ進出したのは、最速タイム15秒を叩きだしている東京大学。このタイムをどう縮めるかが鍵となってくる。
 実際にフィールドで競技をしている今回のチームメンバーは、みなロボコンがやりたくて、豊橋技科大に入学してきた強者だ。チームリーダーの平井くん、設計担当の高木くん、プログラム担当の島崎くん。部員は4月に新入部員が15名ほど入ったので、今は全員で30名ほど。みんなロボコンに青春をかけている。そんな彼らがいよいよ決勝リーグの舞台に。
 準々決勝は信州大学との戦いだ。ここでもノーミスで22秒。安定感は抜群だ。
 準決勝は九州大学。九州大学もすべてロンバイで勝ち進んでいるチームなので油断はできない。しかし、ここで負けるわけにはいかないとよはし☆ロボコンズは、なんとタイムを縮めて21秒でロンバイだ。「いつもどおり動いてくれてよかった。決勝で東大を絶対に倒します。」とさらに意気込む。

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 さあ、決勝戦はライバルである東京大学。2年前も決勝で東大と戦い、僅差で負けてしまっている。因縁の対決だ。実はとよはし☆ロボコンズ、ここまで切り札を残していた。リスクを冒してでも東大に勝つためにはスピードが大事ということで、シャトルの揺れ
が止まるのを待たずに投げる最速モードで挑む...!
 結局のところ東大のタイムに僅かに及ばず準優勝であった。技術賞と特別賞も受賞した。準優勝で技術賞をもらえるのは凄いことらしい。スピードも申し分なく、すべてノーミスであり、全チームの中で一番の安定性を誇っていたからだろうか。さすが、技術科学の大学だ。
 チームリーダーの平井くんは「ロボットが最短距離を移動し、理論上の最速を実現した東大は凄かった。私たちは実現できなかったが、安定性はあったので、後輩には諦めずに最速を目指してほしい。」と語る。
 とよはし☆ロボコンズのメンバーは高専ロボコンからの経験者も多く、独自の技術やノウハウもある。来年こそは優勝するに違いない。

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