2016.02No.141(オンラインNo.23)

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Chapter1スーパーグローバル大学推進室事業紹介

スーパーグローバル大学推進室
環境・生命工学系准教授
柴富 一孝(しばとみ かずたか)
国際交流センター准教授
桂田 浩一(かつらだ こういち)

スーパーグローバル大学創成支援事業も採択から2年目を迎え、様々なプログラムが本格的に稼働を始めています。今回は推進室から国際交流に関する最近の活動を紹介いたします。

■教職員英語力集中強化研修プログラム
教員・職員がニューヨーク市立大学クィーンズ校(QC)に4-6週間集中滞在して、英語研修を集中受講するとともに、研究や大学業務に関するセミナーにも参加するプログラムです。本年度は教員4名と事務職員1名を派遣しました。次年度はさらに派遣者の増員を予定しており、本学構成員の英語力の飛躍的な向上とともにグローバルセンスの涵養を図ります。

QCでの英語研修の様子
QCでの英語研修の様子

研修後記:山田基宏 助教(機械工学系)
2015年度スーパーグローバル大学事業・教員英語力集中強化研修プログラムにより、6月下旬から8月中旬までの6週間、QCでの英語研修に行かせていただきました。研修の間は10代や20代の若い他の受講生とともに毎日の授業や宿題に励み、久々に学生に戻ったような感覚でした。授業では4人のネイティブスピーカーの先生が担当され、学生時代に習ったかも忘れてしまったような細かな文法の使い方などを丁寧に教えていただきました。教員という立場として、英語そのものも学ぶことができましたが、様々な国籍やバックグラウンドの受講生を対象とした授業の進め方も大変勉強になりました。この研修の機会を与えていただいたことに感謝しつつ、今後の教育に活かしていきたいと思っております。

研修後記:山田敏也 主任(国際課国際教育支援室)
私は本研修にて、Summer Oneプログラム(2015年5月下旬から4週間)に参加させていただきました。同程度の英語レベルとして配属されたはずのクラスメートは、英文法こそ出鱈目でしたが私よりも遥かに英会話能力が高く、会話という点では全くの不自由さを感じさせませんでした。一方で、私は英文の読み書きにおいては彼らよりは出来たものの、実際に喋るとなると全くの別物で、机の前ではすぐに思い浮かぶ簡単な単語すらも、いざとなると全く口をついて出てこず、日本のように座して勉強しているだけでは活きた英会話は全く身につかないことを思い知りました。勉強をして万全を期すことも大切ですが、実際に現場に飛び出して体験することは単なる勉強には代えがたい経験値を与えてくれるものだと感じられた研修でした。

■高校生招へいプログラム2015

高校生招へいプログラム2015
高校生招へいプログラム2015

本学では2015年10月25日から10月31日にかけて「高校生招へいプログラム2015」を実施致しました。

このプログラムは、2017年度から本学で開始する新たなコース(グローバル技術科学アーキテクト養成コース)への留学生の入学を促進するための事業の一つです。

今回のプログラムではベトナム、マレーシア、モンゴルの4つの高校から合計10名の高校生と4名の教員を本学に招待し、本学の施設見学や研究紹介、講義を通して本学の魅力を伝えました。来日した高校生は、トヨタの工場見学、日本文化の体験、近隣の時習館高校での高校生とのディスカッションなども体験し、短い期間ではありましたが充実した時間を過ごしました。

本学では次年度以降もこうしたプログラムを通して留学生の獲得を進めていく予定です。

Chapter2グローバルサマースクール 2015 博士課程教育リーディングプログラム「ブレイン情報アーキテクトの育成」

リーディング大学院教育推進機構 推進員(広報担当)
情報・知能工学系准教授
北崎 充晃(きたざき みちてる)

アイスブレーキング
アイスブレーキング

「ブレイン情報アーキテクトの育成」は、2014年から始まった5年一貫の教育プログラムで、脳科学を現実社会の諸問題の解決に利用できる人材を育てるものです。参加する学生は、最初の年、つまり博士前期課程の1年生の夏にグローバルサマースクールを体験します。

まず、国内で応用脳科学コンソーシアムの応用脳科学アカデミーを通して脳科学の基礎と応用を学びます。その後、マレーシアに移動し、マレーシア科学大学(Universiti Sains Malaysia)の医学部の学生と合流し、プラウ・バンディン(Pulau Banding)に暮らす先住民に関するフィールドワークを行い、そこにある問題を見つけ、ITや脳科学を用いて解決する方法を検討します。このプロジェクト研究では、現実的な解が求められ、入手が困難な電気・水の制限やコストを意識する必要があります。検討にあたっては、英語でのディスカッションが中心となり、語学はもとより総合的なコミュニケーション能力育成の場となっています。今回は2度目の開催となり、英語での脳科学講義や脳を理解するための心理実験の共同実施など、プログラムも充実して軌道に乗ってきました。

記念植樹
記念植樹

しかし、このサマースクールは堅苦しいものではなく、最初に両大学の学生がゲームを通して打ち解け合い、休日には一緒に遊びに行ったり、お互いに食事や文化を紹介したり、歌を歌ったりとフレンドリーで楽しいものです。きっと学生たちは、参加した教員も含めて、感動を共有したと思います。

また、朝日新聞出版の取材陣も現地に同行し、その内容がAERAムック「未来を拓く博士たち -文部科学省博士課程教育リーディングプログラム−」(ISBN:9784022791115)に掲載されました。

本プログラム履修生の勇姿をぜひご覧下さい。そして、将来このプログラムに参加したいと考えている学生は、ぜひ今すぐ飛び込む勇気をもってドアを開いて下さい。

プログラムの詳細は、こちら: http://brain.tut.ac.jp

ディスカッションの様子
ディスカッションの様子
フィールドワーク
フィールドワーク

Chapter3グローバルリーダー養成とペナン校での取り組み

国際教育センター特任教授(ペナン駐在)
京兼 純(きょうかね じゅん)

本学はグローバル視点を持つ人材を養成するため、マレーシアに日本の国立大学としては先鋭的なマレーシア教育拠点(ペナン校)(平成25年12月4日開校)を設置しました。ペナン校は豊橋及び長岡両技術科学大学、国立高等専門学校機構(以下、高専機構)の三機関が連携・協働した教育改革事業(国立大学改革強化推進事業)の一環として運営されています。ご承知の通り、マレーシアは異文化が共生した多様性を持つ国家ですので、グローバルリーダーを育むためにはうってつけの環境だと考えています。このような恵まれた環境のなかでペナン校は、現在まで数多くの活動を進めてきています。ここでは本年度に実施しています事業の一部を紹介したいと思います。

まずは学生のグローバルサマースクール、海外インターンシップ(実務訓練)、特別推薦入学者等に対する海外研修です。特に実務訓練は日系企業と世界展開をしている外資系企業を中心に実施しており、写真はマレーシア科学大学(USM)での実務訓練前のオリエンテーションの一コマです。

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また、ペナン校では大学が持つ資産を有効に活用した、知の拠点としての国際会議、シンポジウム、講演会を実施しています。なかでも11月に行われた小林 誠先生(平成20年度ノーベル物理学賞)のUSMでのNovel Lectureやペナン日本人学校への訪問が、日本人会の間で大きな話題となり反響を起こしました。

こうした行事は、本学がペナンにあるから可能なことであり、一般にはありえないとペナン日本人学校の浦江校長から云われ、ペナン校が地域で果たしている役割が決して小さくなく、増していることが改めて認識させられました。最後に、小林先生から日本人学校の児童・生徒の皆さんへ「過去は序章だ!」の言葉が贈られました。

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USMでの小林先生のNovel Lecture
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小林先生を囲んでの記念写真(日本人学校)

Chapter4研究広報Webマガジン TUT Research

~最新の研究成果を 豊橋から世界へ~

TUT Research 編集委員会
編集長 高嶋 孝明(たかしま たかあき)
北崎 充晃(きたざき みちてる)
原 邦彦(はら くにひこ)
井藤 優子(いとう ゆうこ)
Ryan Eugene(ライアン ユージン)
河合 智子(かわい ともこ)
福村 静(ふくむら しずか)


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みなさん、豊橋技術科学大学の最新の研究成果を世界に発信している TUT Research をご存知ですか?海外への大学広報を強化するために、国際広報Webマガジン e-Newsletterの第1号を発行したのが2010年10月。それ以降、年4回の発行で、昨年2015年2月までの5年半の間に18号の発刊を重ねてきました。

e-Newsletter の刊行以降、公式ホームページの英語版作成、Facebook・Twitter を日英併記で発信するなど、英語による様々な国際広報の整備と活性化を進めてきました。さらに今後は、「スーパーグローバル大学」に選ばれた大学として、世界に向けた広報体制を強化して行くことになりました。それと同時に、「研究トップ大学」に選ばれた大学として、世界をリードする豊橋技科大の研究成果をグローバルに発信する重要性が高まってきました。

この5年半の間に大きく変化した、海外に向けた大学広報の環境とニーズの下で、今後の効果的な情報発信をどうすべきかを検討しました。その結果、これまでの e-Newsletter を「英語による研究広報」に特化させて、最新の研究成果を豊橋から世界へ発信するWebマガジンへと発展的に進化させることにいたしました。そして2015年7月に、誌名を " TUT Research: e-Newsletter from Toyohashi University of Technology " へ変更し、誌面・デザインを全面リニューアルいたしました。

興味ある話題をインタビューにもとづいて書き下ろしたFeature Story、世界的なオンラインニュースサービスであるEurekAlartを通じてプレスリリースしている豊橋技科大の最近の研究成果から厳選した Research Highlights、そして大学の話題を掲載した Pick Up の3部構成です。発行は年4回で、一部の記事は英語と日本語の両方で記載、冊子版もPDF形式でダウンロードできるようにしております。

お気に入りの記事をボタン一つでFacebookやTwitterなどでシェアできる機能を新たに備えていますので、皆さんも豊橋技科大の最先端の研究成果を世界に発信するお手伝いをしてください。また、メールアドレスを登録いただければ、発行と同時にメールでお知らせを致します。

装い新たになった TUT Research を是非ご愛読ください。

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Chapter5巨大地震に備える港湾企業の防災活動を情報化する交流Webサイトを開設

安全安心地域共創リサーチセンター長
建築・都市システム学系教授
齊藤 大樹(さいとう たいき)

つながる防災サイトtop
つながる防災サイトtop

三河湾に面する蒲郡、豊川、豊橋、田原の4市の地先埋立地に形成された工業用地には、自動車産業をはじめとする約320もの企業が集積しています。この集積地は、我が国有数の生産・物流拠点として大きな役割を担う一方、南海トラフ巨大地震をはじめとした大規模な自然災害によって甚大な被害を受けることが懸念されています。

私たちCARM(安全安心地域共創リサーチセンター)では、この三河湾を囲む地域の防災力を高めるための取り組みとして、H25年度より文部科学省の委託を受け、津波・高潮、液状化等の工業用地の特性を考慮した防災担当者養成プログラム『地域地震防災コース』の開発に着手し、企業防災に従事する企業・自治体等の防災担当者への提供をすすめてきました。

H26年度には、各工業用地において企業防災に当事者として従事している企業・自治体の代表者を一堂に会し「三河港湾防災・減災連絡会」を発足しました。ここでは、私たちCARMの提供するプログラム普及のための検討の他、工業用地ごとの防災対策状況を報告し合い、個々の企業だけでは対応できない課題への対策検討や個々の企業の防災対策を促進する新しい仕掛けについて意見交換を行ってきました。

今回ご紹介させていただく防災情報交流Webサイト『つながる防災』は、こうした意見交換で出されたアイデアを実現したものです。CARMを管理者として工業用地の企業防災に関わる複数名で運営するこのサイトは、防災対策をしたいが、お金も時間もなく何から手を付けてよいかわからない、周りの企業は防災に積極的に取り組んでいるらしいけど情報があまり表に出ていないので聞くに聞けない...そのような防災対策における企業間での格差が生じている状況に対し、中立的立場にある大学が中心となり、各工業用地で日頃行われている防災活動をひとつのプラットフォーム上に情報として集約することを試みるものです。

今後、CARMでは三河湾を囲む地域の防災力向上のためのツールとして、今後このサイトを積極的に運用していきます。

※つながる防災-東三河防災情報アーカイブス-
http://carm.tut.ac.jp/bousai_archives/

三河港務所提供航空写真
三河港務所提供航空写真
三河港湾防災減災連絡会
三河港湾防災減災連絡会
地域地震防災コース浜松防潮堤見学会
地域地震防災コース浜松防潮堤見学会

Chapter6政府の総合科学技術・イノベーション会議
第5期科学技術基本計画について

内閣府上席科学技術政策フェロー
環境・生命工学系准教授
後藤 尚弘(ごとう なおひろ)

科学技術政策フェロー報告会
科学技術政策フェロー報告会

科学技術基本計画とは政府が定めた我が国の科学技術政策の方針であり、国立大学法人にとって大変重要な計画です。まもなく第5期科学技術基本計画が閣議決定されます(平成28年1月12日執筆時点)が、小生は科学技術政策フェローとして内閣府の同計画策定担当部署に非常勤で勤務していますので、同計画のポイントについて本稿で紹介します。

同計画は、イノベーションによって「社会」を変えることを目指すとしています。その社会とはあらゆるところに情報技術が浸透し、より住みやすい「超スマート社会(Society5.0)」です。この超スマート社会を支える技術が、IoT、ロボット、AI、再生医療、脳科学等となり、これらが今後の重点分野となります。

イノベーション創出のためのシステムについても述べています。若手・女性の活用、知的プロフェッショナル(URA等)、シニアのクロスアポイントメント制度、産業界と一体となった大学院改革などです。どれもすでに本学では取り組んでいますが、大学法人としての業務における重要性はより一層増すと思われます。

また、政府研究開発投資を対GDP1%と明示したことも大きな意味があります。運営交付金の減少は国立大学法人にとって大きなダメージでしたが、それに歯止めをかけるべくあらゆる方面から働きかけた結果です。大学での資金の使い勝手を良くするために、間接経費30%化等の資金改革も記述されています。

同計画は霞が関語で書かれているので、研究者が理解することは難しいかもしれません。しかしながら、内閣府として大学現場の環境を良くしようと最大限の努力をしたのが同計画であり、研究者が改善して欲しいと思っている事項が多く入っています(例えば、イノベーションだけでなく、大学研究の多様性の重要性)。内閣府としては「やれることはやった」という雰囲気です。研究成果の社会還元が大いに期待されているので、今後は大学としてその思いを受け止めていくことになるでしょう。

※総合科学技術・イノベーション会議(第14回)議事次第
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui014/haihu-014.html

Chapter7放射線取扱主任者からの連絡事項

放射線取扱主任者
環境・生命工学系准教授
田中 照通(たなか てるみち)

国内および本学における放射線の扱いに関わる規則と体制が変わります。

要点は(1)教育訓練の体制と内容、(2)健康診断、(3)密封RIの取扱、(4)非密封RIの取扱、(5)放射線発生装置の放射化物の取扱、(6)本学の予防規定、の変更です。

2016年度から徐々に変更を始めますので、これまで教育訓練の「免除」者も含めて放射線登録者全員に受講義務が生じます。RIに関してはより厳しい規制がかけられました。本学を含むRIの登録法人では監督責任が強化され、本学の敷地内に持ち込まれる(通過を含む)RIの厳格な管理責任が問われます。これは「敷地外」では「合法」である微量のRIの保有と使用が「敷地内」ではたいてい「違法」となることを意味していますので注意して下さい。詳細情報は教育訓練の際に提供致します。

放射線発生装置での規制も厳しくなっています。「放射化」ゴミの管理方法が定義され、「帳簿」の管理が厳密化されました。

本学のRIの管理体制は他に比べて厳しめに設定しています。その背景には管理担当者の選出を研究支援担当や専門の部署からではなく受益者負担の原則で行っていること、および、放射線アレルギーの強い学内や近隣住民に対しての説明責任があります。

世界的には放射線の利用は減少する方向にありますが、日本はいまでも放射線大国であり、それゆえに放射線災害の事例が多く報告されています。これまでの性善説に基づく管理体制が、先の原発事故等の影響も踏まえて性悪説を前提とした管理体制へと移行しつつあるとお考え下さい。

教育訓練での講習では授業では決してきくことのできない知識をはじめとする種々の情報も提供していますので、放射線業務に関係無い方でも多少なりとも放射線等に興味のある方は参加を歓迎しています。

Chapter8豊橋技術科学大学開催のイベント報告

The Irago Conference 2015

2015年10月22~23日の2日間、伊良湖シーパーク&スパホテルにおいて、The Irago (Interdisciplinary Research And Global Outlook)Conference 2015を開催しました。本国際会議は、エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)が「異分野融合のプラットホーム」の提供を目指して2011年より毎年開催しているもので、今回は電気通信大学と共同で開催しました。国内および海外の大学・研究機関から124件の発表があり、参加者は156名でした。

今回は、観測、計測、センシングをキーワードとして様々な分野のトップクラスの方々から興味深い講演があり、活発な議論が行われました。また、後援をいただいた田原市より「田原市低炭素施設園芸づくり協議会」の展示参加もありました。 この国際会議の発表内容は、オープンアクセス可能な論文として出版され、Web of science等にも収録されますので、国際情報発信の強化につながるとともに、論文の「プラス1活動」にも貢献します。

来年度は、関東圏での開催を予定しています。研究者の方々は是非参加をご検討下さい。

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集合写真
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手筒花火

詳しくはこちら[http://www.iragoconference.jp]をご覧ください。

文部科学省研究大学強化促進事業
豊橋技術科学大学シンポジウム 未来への挑戦 ~新たなステージに立つ~

1月21日に東京丸の内 MY PLAZAホールにて、豊橋技術科学大学シンポジウム「未来への挑戦~新たなステージに立つ~」を開催しました。このシンポジウムは文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として開催し、企業・研究機関関係者を中心に約260名の参加がありました。

初めにエレクトロニクス先端融合研究所 所長 石田副学長による主催者挨拶の後、文部科学省 研究振興局学術研究助成課長の鈴木敏之氏による来賓挨拶が行われました。その後、第1部の招待講演「ミニマルファブリケーション―産業が"Individualになる"―」が産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門 ミニマルシステムグループ研究グループ長の原史朗氏によって行われました。続いて、本学の研究成果報告として次の4件の発表があり、いずれの発表も熱心に聴講頂きました。

① 河野剛士准教授による「脳のためのエレクトロニクス」
② 福田光男教授による「表面プラズモンと光・電子融合回路」
③ 高村司テニュアトラック助教による「TEM溶液中ナノ観察カプセル開発」
④ 澤田和明教授による「異分野融合研究におけるセンサ開発」

第1部終了後は、昼食休憩も兼ねて、ポスターセッションとデモ展示がホワイエにて行われました。参加者からの質問も多く、活発な意見交換がなされました。

第2部では大西学長による主催者挨拶の後、2件の招待講演がありました。カリフォルニア工科大学 ボルティモア冠教授 下條信輔氏による「ロボットは意識を持ち得るか?―身体化した知性と「来歴」―」、その後、公立はこだて未来大学情報科学部教授 松原仁氏による「考えるコンピュータは実現するか」と題した講演がそれぞれ行われ、多くの参加者が熱心に聴講しました。第2部の後半では、パネルディスカッション「機械は意識を持つか」が開催され、下條信輔氏、松原仁氏、大阪大学 特任助教 高橋英之氏、本学 中内茂樹教授による熱い議論が交わされました。

シンポジウム閉会の後には情報交換会が開催され、和やかな雰囲気の中、出席者の皆様にご歓談頂くことができました。

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パネルディスカッションの様子
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情報交換会の様子

IGNITE 2016 The 3rd International Conference of Global Network for Innovative Technology

本会議は、様々な応用技術分野の先進的な研究成果を発表することを目的として、マレーシア科学大学(USM)と本学の共催で開催しています。

一昨年度、本学のマレーシア教育拠点の開所に合わせて第1回が開催され、今回の第3回目は2016年1月27日から29日にEvergreen Laurel Hotel, Penangでの開催となりました。

USMの研究者・学生のほか、ペナンに展開している企業からの出展もあり、日本からの研究者・学生を合わせて総計250名以上の参加となりました。

口頭及びポスター発表209件、若手研究者向けのチュートリアルセッションが行われ、非常に活発なディスカッションが行われました。

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集合写真
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ポスター発表の様子

発行お知らせメール

天伯の発行をメールにてお知らせします。

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