
名誉教授 穂積直裕氏が第82回電気学術振興賞 進歩賞を受賞しました(受賞日:2026年5月27日)
受賞 | 2026年6月19日
名誉教授 穂積直裕氏が、第82回電気学術振興賞 進歩賞を受賞しました。
電気学術振興賞・進歩賞は、一般社団法人電気学会が授与する賞であり、電気に関する学術・技術において新規な概念・理論・材料・デバイス・システム・方式等を新たに提案あるいはこれらの提案を実証した者、及び電気に関する製品・設備等を新たに完成又は改良し、顕著な成果をあげた者に贈られるものです。
再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、遠隔地からの電力輸送や広域連系の重要性が高まっており、超高圧直流ケーブルの需要が増しています。ケーブル絶縁体に用いられる高分子絶縁体は、直流電圧が長時間印加されると内部に空間電荷を生じて電界を変歪させ、絶縁破壊に至ることがあるため、空間電荷の状態を知ることが重要です。パルス静電応力法(PEA法)は、パルス電圧と空間電荷の相互作用による音響信号を検出して電荷の大きさと位置を測定する方法として知られていましたが、従来はフィルム試料を測定対象としており、超高圧ケーブルに適用しても満足できる品質の結果が得られませんでした。受賞者らは、パルス電圧の印加方法の改善、高分子音響結合器による音響整合の改善、及びケーブルに特化した信号処理などを用いた新しい計測システムを開発してこの問題を解決し、熱サイクルを含む長時間課電試験中における連続的な空間電荷測定という世界初の成果を挙げました。
受賞に至る経緯としては、2019年に豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学専攻 誘電・絶縁システム工学研究室を修士課程修了し、電力中央研究所と住友電気工業株式会社にそれぞれ就職した森田翔亮さんと松原貴幸さんの2名が、同研究室の穂積直裕教授(現在は名誉教授)と共同で研究に取り組み続け、その成果が評価されたものです。研究機関における計測解析手法の高精度化と超高圧ケーブルへの実装、ケーブル製造会社における計測手法の実装と実規模試験の実施、大学における計測解析方法の提案という、産学それぞれの強みを活かした連携により本技術が実現されました。
主催者:一般社団法人 電気学会
受賞名:第82回電気学術振興賞 進歩賞
題目:超高圧電力ケーブルの空間電荷測定解析システムの開発
受賞者:
電力中央研究所 森田翔亮(2019年電気・電子情報工学専攻博士前期課程修了生)
住友電気工業株式会社 松原貴幸(2019年電気・電子情報工学専攻博士前期課程修了生)
豊橋技術科学大学 名誉教授 穂積直裕

授賞式での写真

穂積直裕名誉教授、森田翔亮さん、松原貴幸さん



