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3月23日に令和元(2019)年度 大学院修了式・学部卒業式を本学にて挙行しました。

イベント報告 | 2020年3月23日


200323sotu4.JPG式の様子

 3月23日に令和元(2019)年度 大学院修了式・学部卒業式を本学にて挙行しました。大西学長及び博士後期課程修了者はアカデミックガウンを着用し、式に臨みました。

 今年度の式典は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う配慮から、博士後期課程修了生、各専攻代表者及び各課程代表者少人数で執り行われました。
 式典終了後、卒業証書及び修了証書・証明書の伝達が対象学生に行われ、博士後期課程修了生14名、博士前期課程修了生333名及び学部卒業生431名に対して学位記が授与されました。

 大西学長からの式辞は次のとおりです。

 今年は、このように、博士後期課程修了者は全員ですが、博士前期課程、学部の修了者及び卒業者は代表に集まってもらい、修了証書、卒業証書を授与することになりました。

 全国的に新型コロナウイルスによる感染症が収束しておらず、愛知県内でも、特に西側で多数の感染者が出ているからです。学生、教職員の皆様も、手洗い、うがい、マスクの着用、周囲の消毒等の励行、あるいは、人口密度の高い、換気の悪い、接触が濃くなるような環境を作らない、そうした環境が予想される場所へは訪れないといった感染予防に心がけてください。
 修了生、卒業生の皆様は、4月からの新生活を元気で迎えられるように、健康管理に十分に注意を払ってください。
 さて、豊橋技術科学大学は本日778名の修了生、卒業生を送り出します。おめでとうございます。残念ながら今年はこの場に列席していただけなかったご家族の方々にもお祝いを申し上げます。また、修了や卒業に至るには、本学教職員の指導や支援が不可欠であったと思います。熱心に指導支援に当たった教職員の皆様にもお礼を申し上げます。
 本学の開学以来、豊橋や東三河の地元の皆様が本学の学生を様々な形で激励や支援をして頂いています。
 そして、もちろん、本学は運営費交付金の支給を通じて広く国民の皆様に支えられています。これら各位に、この場を借りて、改めて感謝の意を表します。

 修了式・卒業式に先立って、先日、今年度の学生表彰を行いました。対象となったのは、研究活動や課外活動で顕著な業績を上げた学生諸君です。
 受賞者に表彰状を授与しながら、非常に多くの学生が、毎年表彰対象となっていること、具体的には、内外の学会などで皆から称賛される成果を発表していることを改めて認識しました。
 これは、研究室での先生方の指導が効果を上げ、本学の研究力のレベルが高くなってきていることの表れと思います。実際、全国から工学を志す優れた学生が集まり、優れた研究を重ねているという本学に対する高い評価を私もよく聞きます。
 そのことは、学生表彰に繋がった学生諸君の活躍はもちろん、研究大学強化促進事業、国立大学経営改革促進事業、あるいはOPERAといった、国が主導する様々な研究推進事業の実施校に、本学は必ずといってもよいくらい選ばれていることにも示されています。
 修了生・卒業生の皆さんは、本学で、技術科学の発展の一翼を担ってきたことに是非誇りを持って下さい。

 本学は、ここ数年、国際化に注力してきました。すでに、300名近くの外国人学生が在籍しています。東南アジアの諸国が多いのですが、最近では、モンゴルの学生も増えており、さらに、欧州各国からも留学生が来ています。
 留学生増加の背景には、世界の国々が、教育や研究における国際連携をますます重視するようになっていることがあります。
 特に工学分野は、技術や製品の国際的通用性が高いので、優れた研究や教育を行っている大学が積極的に相互連携して、さらに研究レベルを高めていこうとする傾向があります。
 また、学生の交流も盛んになっています。
 本学でも、スーパーグローバル大学のプログラムをはじめとする各種プログラムで留学生を受け入れると同時に、海外実務訓練や『羽ばたけ! TUT - 海外研修応援キャンペーン』等で、積極的にこちらからも諸外国に学生を送り出し、国際体験を積むよう奨励してきました。
 本日の修了生や卒業生の中にも、こうしたプログラムで海外へ出かけ、異文化体験をした方も少なくないと思います。
 皆さんには、工学に国境はないという観点で、絶えず世界の動向、人々のニーズに想いを馳せることの重要さを忘れないようにしてくださいと申し上げます。

 さて、修了や卒業に当たって、こんな話をしたいと思います。皆さんは、ウサギとカメというイソップ寓話をご存知でしょう。足が遅いからとウサギに馬鹿にされたカメが、ウサギに競走を挑むという話です。
 ウサギがカメを大きくリードしますが、途中で油断して居眠りをしている隙に、カメに抜かれて負けてしまいます。ここから、「油断大敵」、あるいはのろくとも着実に努力を重ねれば報われるといった教訓が導かれます。
 しかし、この話には、ウサギが寝ているのを横目で見ながら、追い越していったカメには協調精神が欠けているという見方も存在します。眠っているウサギを起こして、正々堂々と競走を続けるべきだったというわけです。
 さらに、本当に望ましかったのは、陸上では足の速いウサギがカメを背中に乗せて走り、海上では泳ぎの達者なカメがウサギを背中に乗せて泳ぐことで、2人とも最速となる、つまり、それぞれが得意な分野で力を発揮して協力していくことこそが大事だという教訓を導く新しい解釈も存在し得ます。

 確かに、我々の社会には競争がつきものです。
 皆さんも、これまでかけっこから始まって、受験等と様々な場面で競争を経験してきたと思いますし、これからも体験することになるでしょう。勝てばうれしいし、負ければ悔しいのが競争です。
 しかし、競争は単に勝ち負けを決することに意味があるのではないというのが、ウサギとカメの話の新解釈の含意です。
 競争は、あえて言えば、それぞれの得意な分野がどこにあるのかを発見するために必要なことであり、そのことがわかったら、それぞれの強いところを生かし、弱いところを補う形で協力し合うことで、より優れた実践を成し遂げることができるというわけです。
 もちろん、相手に全部依存しては、協力になりません。それぞれが得意分野を磨き高めることが、信頼されるパートナーになるためには必須です。その上で、互いを認め合って、協力することが大事というのです。
 皆さんは、本学での学習や研究の中で、自分は何が得意なのかを発見したのではないでしょうか?あるいは、自信をもってこれが得意といえない場合にも、いわば相対的には、何に適しているのかを知ることができたのではないでしょうか?
 大学や大学院という、学校教育の中で重要なことは、このように己を知るということです。

 もちろん、自分探しは、これからも続いていくかもしれません。ただ、ある程度自分の得意分野が分かったら、自分が相対的にせよ不得意とする分野を補うことの必要性が見えてきます。
 つまり、どういう人と協力すべきかが分かってくるのです。相手は一人とはかぎらず、多数であるかもしれません。
 こうして、協力関係ができれば、仕事の達成度合いは格段に増すはずです。ぜひ自分探しに役立つ競争と、成果を上げるのに役立つ協力をうまく使い分け、統合して、それぞれの大きな夢を実現してください。

 さて、こうして修了し、卒業する皆さんを送り出す言葉を述べている私も、この3月末で、学長としての任期を終え、本学を去ります。
 6年間の在任でしたが、とても気持ちよく仕事をさせていただくことができたと、感謝の気持ちでいっぱいです。
 グローバルハウスを作ったり、図書館の改修を行ったり、先日は、本学で一番新しい施設である弓道場の竣工に立ち会うことができました。
 教育や研究においても、産学連携をさらに進めるための技術科学イノベーション研究機構の整備、各種の補助事業、高専との連携の強化など、挙げていくと結構たくさんありますが、これらの多くは、この6年で完結したわけではなく、本学の教育研究さらに社会連携活動の柱として、これからも継続していくものと思います。
これらの諸事業の継続をはじめとして、本学がますます発展してくことを確信して、後は4月1日から学長となる寺嶋一彦先生に託して、私も卒業してくことにします。

 修了生・卒業生の皆さん、改めておめでとうございます。そして、学生、教職員の皆様、ありがとうございました。

200323sotu1.JPG博士・学位記授与

200323sotu6.JPG修士・学位記授与

200323sotu5.JPG学部・学位記授与

200323sotu3.JPG祝辞

200323sotu2.JPG答辞

学内者限定:2019年度 大学院修了式・学部卒業式動画

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