情報・知能工学系 岡田美智男教授が平成29年度文部科学大臣表彰科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞しました。
受賞 | 2017年4月21日
岡田美智男教授の「弱いロボットの概念に基づく人とロボットの共生技術の振興」に対して、顕著な功績をあげた者を対象とした科学技術賞(科学技術振興部門)が授与されました。
本賞授与については4月11日に文部科学省から報道発表があり、19日に授与式が行われました。
【受賞業績概要】
高機能なロボットやシステム開発による利便性や効率性を追求するなかで、使用者はその機能に対する要求水準をエスカレートさせやすく、企業は「なし崩し的な機能追加主義」に陥りやすい。一方で、高機能なシステムやサービスとの関わりにおいて、使用者は受動的なものとなりやすく、人の本来備えていた豊かな経験や工夫、新たな学びを引き出しにくいという問題点がある。
本研究では、子どもたちのアシストを上手に引き出しながら、結果としてゴミを拾い集めてしまう〈ゴミ箱ロボット〉など、関係論的な行為方略を備える〈弱いロボット〉の概念を提唱し、人とロボットとがお互いの〈弱さ〉を補完しつつ、その〈強み〉を引き出しあうことを特徴とした、人との共生を指向する社会的なロボットの新たな設計論を開拓・展開してきた。
本研究活動により、社会的なロボットとの共生論に留まらず、自動車とドライバーとの高度な協調を実現する技術や子どもたちの主体的な学びを引き出す学習環境のデザイン、高齢者の生きがいを支えるケアのデザインなどの発展に寄与している。