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西川惠子氏を講師に迎え、豊橋技術科学大学第6回プレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2015年12月 4日


11月12日に、日本学術振興会 監事、千葉大学名誉教授の西川惠子氏を講師に迎え、「物質科学におけるパラダイムの転換 -イオン液体を例として-」と題して、豊橋技術科学大学第6回プレステージレクチャーズ 兼、テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム 平成27年度 開発リーダー特論 第3講義を開催しました。

西川氏は、まず大学院時代の研究室の様子を写真で紹介し、教授の先生を中心とした和やかな研究グループ中での研究スタートを紹介されました。当時、女性研究者は少なく、マイノリテイ研究者として新しいことに挑戦したいという夢を持っていたと語られました。助手として着任した学習院大学では、複雑凝集系の科学の解明に取り組まれました。エネルギー分散X線散乱装置をご自分で製作され、時間はかかってもオリジナルな成果を目指されました。横浜国立大学では超臨界流体に取り組まれ、マイノリテイ研究者として、夢の実現に向け、独自性、広い視野、柔軟性、仲間つくり、国際性を心掛けられました。千葉大学では、ライフワークとなったイオン液体の研究をスタートされました。イオン液体は水、有機溶媒とは全く異なり、液体科学に革命(パラダイムの転換)をもたらした機能性液体です。室温では液体の塩であり、液体でありながら蒸気圧がゼロ等々、数々の不思議な性質を有し、その解明に取り組まれました。多くの研究者が参加した研究グループリーダーとして活動し、イオン液体という新たな科学分野を拓いた事、今やその応用も拡がっていると語られました。更に、これはボトムアップ研究で在り、基礎研究で得られた知見が新たな応用や実用化への道を拓く道筋を示すなど、やがて社会に貢献する基礎科学研究の素晴らしさを紹介されました。そして、個人の自由な発想とロマンにあふれた科学研究の夢や楽しさとその意義を述べられました。加えて西川氏は自身の体験からボトムアップの科学研究の大切さ、研究費の獲得にまつわるほろ苦い経験やトップダウン研究の話など、多くの学生が社会に出て遭遇する科学研究の実相と在るべき姿にも言及されました。数々の苦労を物ともせず活躍し、新たな科学の領域を拓いて多くの研究者から尊敬されている西川氏の講義に、聴講者は熱心に聞き入っていました。

講演会後に開催されたスーパリーダー塾では、学生の質問に優しく丁寧にお答えになる姿勢に西川氏の人柄が溢れ、研究の楽しさや夢が飛び交う、多くの学生にとって科学の異分野を体験する楽しい時間となりました。

豊橋技術科学大学第6回プレステージレクチャーズ 講義の様子

豊橋技術科学大学第6回プレステージレクチャーズ講義の様子

豊橋技術科学大学第6回プレステージレクチャーズスーパーリーダー塾の様子

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