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4月3日に平成27年度豊橋技術科学大学入学式を挙行しました。

イベント報告 | 2015年4月 3日


式の様子式の様子

入学生宣誓の様子入学生宣誓の様子

4月3日に平成27年度豊橋技術科学大学入学式をアイプラザ豊橋にて挙行しました。

入学生全員の名前が読み上げられた後、大西隆学長から学部入学498名(第1年次93名、第3年次405名)、大学院博士前期課程443名、大学院博士後期課程16名が入学許可されました。


学部生入学者代表の宣誓は次のとおりです。(環境・生命工学課程 第3年次 西川 ちひろ)

私達第1年次 93名、第3年次 405名はただ今、豊橋技術科学大学に入学を許可されました。
私達はこれから工学の道に励み、社会の新しい要請にこたえ、世界にはばたいていくことのできる、実践的かつ創造的な能力を備えた技術者・研究者となるため日々努力することを誓います。


博士前期課程 入学者代表の宣誓は次のとおりです。(機械工学専攻 第1年次 水尻 雄貴)

この度、私達443名は、豊橋技術科学大学工学研究科博士前期課程に入学することとなりました。
これからの二年間、私達は、それぞれの専攻する分野において研究活動に励み、優れた技術者・研究者となるため、日々努力を重ねていく所存です。
さて、昨年6月には、日本の近代化と絹産業の発展に貢献した富岡製糸場が世界文化遺産に登録されました。また、10月には、青色発光ダイオードの発明に対して3人の日本人にノーベル物理学賞が贈られるなど、日本の科学力・技術力の高さを改めて世界に示す機会となりました。
その一方で、研究活動に関する不正が数多く取り沙汰されたことで、日本の科学技術に対する信頼性が問われています。そのような中でも、環境問題やエネルギー問題、人口問題など地球規模で解決しなければならない問題は山積しています。私達は、自身の専門分野だけでなく、他分野にまでわたる多面的な視点を持って、より真摯に研究活動に取り組む必要があります。
そして、科学技術の持つ潜在的な力は、時として技術者・研究者の予想の範疇を超える事態を引き起こすということを認識しなければなりません。例えば、原発事故による放射能汚染などの余波は、未だ消えることなく私達の生活を脅かしています。また、進歩した科学技術が兵器として戦争で利用され、私達の身に牙をむくこともあります。私達には、科学技術の発展に対する先見性と正しい倫理観が求められます。
今後、本学の基本理念にある、豊かな人間性と国際的視野、自然と共生する心を持ち、実践的、創造的そして指導的な技術者・研究者となるべく、日々、学業および研究活動に精進していくことをここに誓います。


博士後期課程 入学者代表の宣誓は次のとおりです。(情報・知能工学専攻 第1年次 田代 翔輝)

本日、豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 博士後期課程への入学許可を頂いた私達16名は、研究者・技術者への新たな一歩を踏み出せることを嬉しく思います。
日々技術が生み出され続け、快適な世の中となってきていますが、未だに様々な問題があります。
工学の使命である快適な社会構築を、日本に限らない広い世の中で目指し、正しい倫理観の下で、特定の視点に依らない柔軟な姿勢で問題に取り組み、時には言語の壁を乗り越え、研究活動に精出すことを誓います。

学長式辞学長式辞

吹奏楽団による歓迎演奏吹奏楽団による歓迎演奏


大西学長からの式辞は次のとおりです。

皆さん、入学、進学おめでとうございます。今年も学部1年生 93名、3年生 405名、博士前期課程1年生 443名、博士後期課程1年生16名の合計957名の新入生・進学生を迎えることができました。この中には、8カ国48名の留学生が含まれています。

本学の特徴は、内外の各地から新入生が集まってくることです。皆さんのおよそ8割が、全国の高等専門学校の出身です。また、愛知県や静岡県をはじめとする近隣地域の普通高校や工業高校からも沢山の入学者があります。さらに、先ほど紹介したように、海外からの留学生も少なくありません。私は、もちろん地域を問わず、国を問わず、男子学生でも、女子学生でも、まだ働いたことがない人でも、社会人経験者でも、本学に学びに来たすべての皆さんを心から歓迎します。そして、まず、できるだけ早く大学に慣れて、自分の最も一番居心地のいい場所が大学だ、というようにしてもらいたいと思います。
これから皆さんが生活することになる豊橋は、それなりに大きなまちで、東京にも、名古屋にも近く、便利な地域ですが、しかし、大都市というわけではありません。しかも、豊橋技術科学大学は、まちの中心部からはかなり離れた位置にあります。大学に少し慣れてくると、さびしく感じたり、物足りなく感じる人が出てくるかもしれません。そんな時には、大学生、あるいは大学院生という数年間は、人生で一番貴重な時間だということを、この入学式で学長が言っていたと、思い出してください。先生から丁寧に教えてもらえる、指導を受けて、そしてやがて自分の考えに基づいて、実験や研究に打ち込める、こういう時間は、実は、人生でそう長くはないのです。だから、皆さんは、豊橋技術科学大学で1日でも、1時間でも長く過ごすことが、自分の人生を豊かにするということを信じて、学習と研究にできるだけ多くの時間を費やして下さい。豊橋技術科学大学のキャンパスは、まさに大学を中心にしたコミュニティが形成されており、学習と研究には格好の場所です。

さて、皆さんの先輩が、優れた成果を上げてきたお陰で、豊橋技術科学大学は、国立大学の中でも、特に期待されて、いくつもの国の事業を託されています。例えば、国立高専機構と長岡技術科学大学と一緒に、大学教育を改革するという観点から、マレーシアに海外教育拠点を設けて、4年次の実務訓練等で活用し、グローバルな人材育成を図っています。昨年は、これにスーパーグローバル大学事業が加わり、豊橋のキャンパス自体をよりグローバルな教育と研究の拠点にしていく事業を始めました。具体的には、国境、性別、障がい、年齢を超えて皆が互いに理解できる多文化共生キャンパスを実現することや、特に国境を越えた相互理解を実現するために日本語と英語で講義や専門分野を理解できるようにするためのバイリンガル講義も徐々に導入していきます。入学したすべての皆さんが、国際共通語としての英語を勉強して、専門分野の論文が読める、論文が書ける、専門分野の質疑応答ができるという段階になるべく早く到達して下さい。

本学は新たな分野の探求や研究力という点においても注目されています。脳科学と情報工学を組み合わせた脳情報工学の専門家を育成するブレイン情報アーキテクトの養成プログラムが始まっています。また、研究大学強化促進事業といって、国内の約20の研究に強い大学のひとつに選ばれています。こうした実績を基礎に、さらに研究力に磨きをかけていかなければならないと思っています。

それでは、本学は、何を学ぶところでしょうか?皆さんの中には、特定の専門分野を既に将来の進路として想定している方が多いかも知れません。もちろん、入学してしばらく勉強してから決めることになる1年生の皆さんもいます。また、専門分野が大きくは決まっていても、より具体的に何をするのかは、これから決めようと考えている人も多いはずです。本学では、工学に特化しているとはいえ、課程や専攻では、相当沢山の専門分野が用意されています。是非、まずなるべく広く学んで、自分の専門とするべき分野を絞っていくというやり方をとったらどうかと思います。
本学は、専門は細かく分かれていますが、技術科学を探求する大学という共通性を持っています。技術科学は本学の名称でもあります。これは、技術を理解し、技術を開拓し、技術を創造するための科学です。つまり、数学や物理のような自然を考える自然科学、医学や農学のような生命のあるものを考える生命科学、政治学や経済のような人間の造った社会を考える社会科学と同じように、人間が使う技術を考えるのが技術科学です。いうまでもなく、技術科学は、人がモノを作る技術、あるいは情報を管理したり、感性に訴えるデザインを深め、より良いものとするための科学です。したがって、直ぐに人の役に立つという意味で実践的ですし、普遍性や応用性を求めて原理を考察するという意味で、科学的、学術的です。どうか、この、「人や社会の役に立つことを学ぶこと」と、「科学的に原理を考察するという深い思考」の両方が大事なのだということを忘れないでいただきたいと思います。

一つの例を上げましょう。本学のロボットの研究が注目されて、新聞、テレビ、ラジオでもよく報道されます。その中心にいる機械工学系の寺嶋一彦先生たちの研究グループでは、人に優しい、人が使いこなせる、人の役に立つロボットの研究をしています。自動的に動くということだけではなく、人の動きや、人の欲することに合わせて動き、人の行動を助けるロボットを開発しようという観点で生まれたのが、病院内で診療を助けるテラピオという名のロボットです。福島県の医科大学との共同開発で、既に試作品が作られ、お医者さんの助手として、テラピオが各地の病院で重宝がられるようになると期待されています。ロボットも、状況や環境の認識、取るべき行動の選択、人に優しい動き、緊急時の適切な対応など、様々な科学が統合されて生み出される技術です。このように実践的な技術につながる研究を基礎から行うのが本学のスタイルです。是非、皆さんは、学問の出発点から社会に有用な応用まで、どのように繋げていけばいいのかを学び、社会に役立つ技術者、それと手を携える技術科学者に成長することを目指して下さい。
もちろん、ロボットは一例です。本学のあらゆる分野に、皆さんの好奇心を刺激し、熱くせざるを得ないような学習や研究のテーマが詰まっています。是非、それらを早く掘り起こして下さい。

さて、今日は入学式なので、これからの本学での生活で是非実践してもらいたいことをいくつか申し上げます。学習と研究のことはもうかなり話したので、それ以外のことです。

第1に、課外活動にも十分に力を入れてもらいたいと思います。本学には、学生活動運営系、運動系、文化系合わせて、50の課外活動団体があります。これ以外にも学生諸君の自主的なサークルがあります。この中には、自動車研究部やロボコン研究会のように、全国で有数の成績を上げたような部もあります。是非、皆さんの体や精神を鍛え、興味を満たし、さらに友人の輪を広げる課外活動に取組んで下さい。

第2に、大学生や大学院生が活動できる場は、海外にも広がっています。例えば、「トビタテ留学JAPAN」は、官民を上げて、大学生の海外留学を支援するプログラムです。本学からもこれまで1名選出されております。こうした機会を積極的に利用して、留学、ボランティア活動等に参加して、見聞を広めることも、皆さんの将来の大成に大いに役に立つはずです。

第3に、これが一番重要かもしれませんが、なるべく早く、本学で親しい友人を作って、相談したり、ともに楽しんだりする機会を増やし、キャンパスでの生活を楽しいものにして下さい。専門が近い大学や大学院における友人は、生涯助け合っていける仲間になります。出身地や国を超えて、友人を作り、互いに成長し合うような交流に努めて下さい。

第4に、大学での生活では、講義を受けたり、実験を行ったりと、同じような毎日が繰り返されるという面もあります。一見単調に思える生活に張りを持たせたり、気分を高めるには、先生や仲間に挨拶する習慣つけるといった、些細な日常行為が役に立ちます。落ち込んだりしたときにも、挨拶を交わすことで、自分は一人で生きているわけではないということを認識し、気分が晴れるものです。「おはよう」、「こんにちは」、「ありがとう」等の挨拶や声かけを習慣とすることで自分の感情を安定させるといった、自分の気分をうまく調整する方法も身に着けてください。

第5に、最後に、安全管理について触れます。大学でも、実験や実習、あるいは自然災害時の安全管理には気を配っています。しかし、通学の際の交通、自宅などで遭遇する恐れのある災害等、皆さん自身も、種々の災害に対して、十分に注意することが必要です。また、感情が不安定になったような場合には、大学には医師やカウンセラーもいて、皆さんの健康管理のお手伝いをしてくれます。健康で、生き生きと学生生活を送るように心がけて下さい。

今日から、皆さんの新しい生活が始まりました。充実した毎日を過ごすことができるよう、そして学業で大きな成果を上げることを祈念して、私からのお祝いの言葉とします。

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