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テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム平成26年度 「バトンゾーン特論 第2講義」を開催しました。

イベント報告 | 2014年11月18日


バトンゾーン特論 第2講義
講義の様子

バトンゾーン特論 第2講義
講義の様子

10月16日に、東京都市大学副学長 総合研究所教授 三木千壽氏を講師に迎え、テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム平成26年度「バトンゾーン特論 第2講義」を開催しました。

今回の講義は「社会インフラの老朽化と維持管理へのICTの活用を考える」と題して、私達が日常使っている巨大な構造物である高速道路や橋梁等の劣化の状況を豊富な写真等により実例を示されました。昭和30年代の高度成長に端を発し、東京オリンピックを契機に建設され、建設以来50年を超えて使われる首都高速などの首都圏の巨大な構造物は鉄とコンクリートの橋梁から成ります。また新幹線は、建設以来50年を経て、車両や一部の地上構築物は建設当初の物から替わっていますが、土木工事で建設された線路床や鉄橋などは、代替えはなく建設当時のままになっており、それは高速道路も同様です。したがって、各所で亀裂や腐食、経年劣化などが生じており、目に見える亀裂などの他、目に見えない劣化も多数あると推定されています。しかし現在そうした劣化モードを検出する手法やセンサ技術には完全なものは無く、対処療法的に対応しているという現状について紹介されました。

続いて、高速道路のような巨大構築物の劣化モードは、日本人が初めて体験することであり、振動による金属疲労、雨水による腐食、予想を超えた通行車両の荷重の増大、コンクリートの経年劣化等様々な原因があり、その検出は勿論、危険性のレベル評価は至難であることを述べられました。しかし、こうした巨大構築物の維持管理に関わる劣化モードの発見、検出に必要なセンサ技術やその手法、如何にして強度や安全性を確保してゆくかなど、災害の発生を未然に防止する技術構築は必須であり、今後の課題です。この様な社会インフラの劣化とその対策、維持管理は、これまで私達が経験していなかった新たな技術課題を提供しており、センサ技術は勿論、新たな巨大構築物に関わる新規の技術の開拓の必要であり、ICTのような新たな技術の応用が今後大切になってくることを述べられました。金属疲労により落下した橋梁の写真の紹介など、聴衆にとっては衝撃的な講義でもありました。

恒例となったスーパーリーダー塾は、私達が日常に使っている高速道路など巨大構築物の安全を確保する維持管理という新規技術に挑戦する技術者として、重責を背負うリーダーとして、三木氏の質問に丁寧に答える姿が印象的でした。三木氏の言葉の一つ一つが将来を担う若い人たちへの期待を込めたメッセージであり、将来社会のリーダーとして活躍するための指針ともなる大変有益な講義と懇談となりました。

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