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テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム平成26年度 「開発リーダー特論 第2講義」を開催しました。

イベント報告 | 2014年7月14日


講義の様子  
講義の様子  

7月10日に、株式会社IHI 新事業推進部 技監(兼)同社 航空宇宙事業本部 磯村浩介氏を講師に迎え、テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム平成26年度「開発リーダー特論 第2講義」を開催しました。

今回の講義は「ポータブル・ガスタービン発電機の研究開発事例を通して考える、機械システムにおけるイノベーション実現の方法」と題して、機械工学が専門で、中でもマイクロガスタービン開発の第一人者である磯村氏より、ガスタービンエンジンの古い歴史、航空機用のガスタービンエンジンをはじめ、火力発電所等で使われる大型ガスタービンエンジンの技術等を、判り易く語っていただきました。

磯村氏は、心血を注いだ世界最小の、排気がクリーン、かつ、軽油、灯油、プロパン等多様な燃料が使える実用的超小型ポータブルガスタービンエンジン発電機の開発の経緯とその過程について話されました。機械工学分野の技術開発は、生命科学やその他の化学分野と違いトライアル&エラーに基づく新発見や発明というよりは、むしろシステムを構成する独立した機能の各部、例えばガスタービン発電機の例では、圧縮機、燃焼器、発電機などの要素技術が、相互の関連の上で各部が最適設計、製作、組み合わされて、目的とした機能を実現した新システムが完成します。こうした過程では、既に確立された各部の技術が、システムの設計時に徹底的に見直され、計算され、組み合わされて最終のシステムが実現します。最初の組み合わせが目的に適わなければ何度でも同様の過程を繰り返します。こうして、要素技術の精緻な組み合わせと最適化により、それまで出来なかった機能を有する超小型のガスタービン発電機が実現した過程を講じ、またこうした開発では、流体力学をはじめ熱力学、更に各部を構成する材料、異分野の発電機の技術など幅広い知識が必要となると述べられました。最後に、メッセージとして「これからは、全体を見渡せるシステム思考が大切」と講義を結ばれました。

講義後半の「スーパーリーダー塾」では、留学したマサチューセッツ工科大学ではガスタービンエンジンを研究テーマとしたことや同大学の教育研究の風土と共に、会社で、小型ガスタービン発電機の可能性を検討し、開発不可能と上司に提言したが、逆に、面白いではないか、やってみたらという指示となり、研究を手掛けることになったこと等、会社の研究の曲折等の苦労話が和やかな雰囲気で語られ、正に、聴衆の心に残る講義とリーダー教育の場となりました。

講義の様子

   

スーパーリーダー塾の様子

講義の様子   スーパーリーダー塾の様子

 

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