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岩崎俊一氏(東北工業大学理事長・名誉学長)を講師に迎え、第29回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2013年12月11日


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講演の様子
 
 
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質問に応じる岩崎氏
 
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講演の様子
 

11月21日に、本年度文化勲章を受章された、学士院会員 東北工業大学理事長・名誉学長で元東北大学電気通信研究所長の岩崎俊一氏を講師に迎え、平成25年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『異分野融合特論』第3回講義を第29回榊プロデュースプレステージレクチャーズとの共催で開催しました。

今回の講義は、『垂直記録と文明-科学から技術へ-』と題して、ハードディスクで広く使われている垂直磁気記録の提案発明者である岩崎氏から、磁気記録技術の歴史と垂直磁気記録の提案に至る経緯や30年にわたり、学会産業界を指導した実用化開発の苦労や社会への影響等を判り易くお話しいただきました。

岩崎氏はご講演の中で、通信の研究を当初は専門としたが磁気記録の分野でVTR技術に大きく貢献したメタルテープの発明実用化を成し遂げたこと、更に、メタルテープの全盛の時代に、水平磁気記録の限界を悟り、垂直磁気記録という究極の記録技術の提案をしたことを話されました。一連の技術開発は、全くのゼロからの出発であり、基礎となる磁気記録の科学研究、材料技術の研究をはじめとして新規の研究・開発分野を興し、30年という長期にわたり、学会産業界を指導牽引しながら、数々の困難を乗り越えて、その実用化を成し遂げたことを具体例を示しながら述べられました。

さらに岩崎氏は、垂直磁気記録技術は、大容量、高速、更に低コストの情報記録技術として、今や全てのハードディスクに採用されており、この技術によって桁違いの記憶容量を得たハードディスクこそが、いま話題のビッグデータの蓄積活用をはじめて可能にし、テラバイト時代を実現招来したこと、新たな情報化時代を拓き、超高速大容量インターネット時代の実現という、我々の社会や文明の在りようを変えその基礎を支える技術となったことなどを判り易く話されました。

講義の後半では、「研究開発とは、我々の社会や文明を変える大きな影響力を持つものであり、垂直磁気記録もその例である」と語られました。更に、大局的、そして歴史的視点の大切さと共に、新技術が成人する(成熟する)20年周期と技術の世代交代につながる40年周期があることなど、「志を立てて研究に取り組む」ことの大切さ等、若い学生に多くのメッセージとアドバイスを自身のご経験から述べられ、心に残る講義となりました。

講義後のスーパーリーダー塾「トップと語る会」は、履修生一同から多くの質疑が出て活発な議論となりました。今回の講義は、ビッグデータの時代を出現させた垂直磁気記録の提案者であり、学会、産業界を指導して研究開発を進められ、実用化した岩崎氏から直接話しを聞き、アドバイスを頂く貴重な機会となり、まさに、将来のリーダー教育の場となりました。

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