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益川敏英氏(名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構 機構長)を講師に迎え、第26回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2013年4月30日


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 講演の様子
 
 
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 質問に応じる益川氏
 
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 講演の様子
 

4月25日に、名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構機構長の益川敏英氏を講師に迎え、平成25年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』第1回講義を榊プロデュース第26回プレステージレクチャーズとの共催で開催しました。

 

今回の講義は、『創造性の源は知的好奇心』と題して、学外からの聴講も含め、約640人の聴衆に向け、榊佳之学長との対談の形式ですすめられました。益川氏が素粒子研究に入ったそもそものきっかけや大学院時代の思い出、ノーベル物理学賞の対象となった6元クオークモデル発想の瞬間などを引用しながら、研究者としての人生観や創造性に強く影響を与える日々の生き方や考え方などについて熱く語られました。

 

興味を持ったこと、楽しいと思えること、憧れを感じたものには思い切って飛び込み、一生懸命に自ら動いてみることの中から初めて本物に出会えるようになること、自分の仕事については、周辺を含めてその歴史をおおよそ知っておくことが良い閃きのきっかけになること、同じくらいのレベルの人たちとの夜を徹した議論が自分自身を大きく成長させること、研究の成果にはすぐ役立つものと、思わぬ時に思わぬところで役立つものもあるので、効用にあまり気を使うことなく自由に研究に取り組めばよいこと、早いうちからあまりにシャープに目標を絞り込むのではなく、遊び心も持っていろいろな事柄に幅広く興味を抱くことが最も重要、といった益川哲学について、楽しくも熱く語られました。また、今日では、もろもろの進歩により、科学も工学もともに新しい学問を生み出し得る時代であり、両者の境界を意識して、自分はどちらに向いているなどという議論をする必要もなく、興味を覚えたことに夢中になることの方がよほど意味があるとも語っておられました。さらに、科学者は、「それは神が決めたこと」と思ってしまったら敗北であり、「なぜそうなるのか」を永遠に問い続けるものでなければならないし、それは楽しいことでもあるという、まさしく科学者の基本的精神についても話されました。時にユーモアもあり、益川氏の人間味あふれる語り口と、榊学長のコーディネートにより、聴講者すべての人の心に残る講演会となりました。

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